国家賠償等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 死刑確定者である一審原告は、福岡拘置所に収容中、養子縁組をしたAら宛ての信書(本件信書①〜③)及びGら宛ての信書(本件信書④〜⑥)の発信許可を求めたが、福岡拘置所長はいずれも不許可とした。一審原告は、Aらとの間で刑事収容施設法139条1項1号に基づき信書を発受できる地位の確認と、本件各不許可処分の違法を主張して国家賠償を求めた。原審は地位確認請求を一部認容し、国家賠償請求を棄却したため、双方が控訴した。 【争点】 (1) 一審原告とAらとの養子縁組の有効性及びAらが刑事収容施設法139条1項1号の「親族」に該当するか、(2) 本件確認の訴えが無名抗告訴訟として不適法か、(3) 本件各不許可処分が国家賠償法1条1項の適用上違法といえるか。 【判旨】 控訴審は、一審原告の控訴を棄却し、一審被告の控訴に基づき原判決の敗訴部分を取り消した。養子縁組について、一審原告が複数人に対し「一時的な仮のもの」「形式上のもの」との意思を多数回にわたり表明していたこと、在社会時にAらとの交流がなかったこと、A自身も「形式上で4か月程度の期間だけの縁組」と実母に伝えていたこと等から、専ら外部交通を確保する便法として養子縁組に仮託したものであり、真に養親子関係を設定する効果意思がなく縁組は無効であると判断した。したがってAらは「親族」に該当せず、地位確認請求は認められないとした。本件確認の訴えは無名抗告訴訟ではなく実質的当事者訴訟として適法と判断した。国家賠償請求については、本件不許可処分①〜③はAらが親族に該当しない以上違法と評価されず、本件不許可処分④〜⑥についても、福岡拘置所長が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさず漫然と判断したとは認められないとして、いずれも請求を棄却した。