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下級裁

原爆被爆二世国家賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ38
事件名
原爆被爆二世国家賠償請求控訴事件
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2024年2月29日
裁判種別・結果
棄却
原審裁判所
長崎地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 長崎市に投下された原子爆弾による被爆者の子(被爆二世)又はその訴訟承継人である控訴人らが、国に対し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料各10万円等の支払を求めた事案の控訴審である。控訴人らは、原爆の放射線による遺伝的(継世代)影響を否定できず、被爆二世が抱く健康不安について、被爆者援護法による援護を受ける被爆者等と同等の国の援護を受ける権利が憲法13条によって保障されていること、また、被爆者等との差別的取扱いが憲法14条1項に違反することを主張し、被爆二世を被爆者援護法1条所定の「被爆者」に加えて援護の対象とするなどの立法措置を講ずべき義務があるにもかかわらず、これを怠った立法不作為の違憲を主張した。原審(長崎地裁)は控訴人らの請求をいずれも棄却し、控訴人らが控訴を提起した。 【争点】 主な争点は、①被爆二世が被爆者援護法の援護対象とされていないことが憲法13条に違反するか、②被爆二世と被爆者との差別的取扱いが憲法14条1項に違反するか、③国に被爆二世を援護対象に加える立法措置を講ずべき義務があるかである。控訴人らは、被爆二世も被爆者の生殖細胞を通じて直接被爆した可能性があり、胎児が援護対象とされていることと共通すると主張した。被控訴人(国)は、親の放射線被曝により子の健康に影響が生ずることは現在まで確認されておらず、限られた財源の中で異なる取扱いをすることは合理的であると反論した。 【判旨】 福岡高裁は、控訴人らの各請求には理由がないとして、控訴をいずれも棄却した。裁判所は、ヒトにおける放射線の遺伝的影響(継世代影響)について、これまでの研究成果では証明されておらず、肯定的な研究発表に対しては批判的意見や課題が指摘される一方、疫学的調査研究やDNA調査に加え、近時の全ゲノム解析による研究においても否定的な研究発表が複数なされていると認定した。UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)の2013年報告でも、放射線被曝による人間における遺伝的影響として明白に確認されたものは原爆被害の生存者の子孫の研究においては特にないとの一般的結論が示されていることを重視した。その上で、被爆二世と被爆者援護法所定の「被爆者」とでは、その基礎となる医学的・科学的知見の現状において顕著な差異があり、被爆二世を同法の援護対象としていないことには現時点でもなお相当の根拠があると判断し、立法不作為が憲法13条・14条1項に違反するとは認められないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。