住居侵入、強盗致傷、住居侵入未遂被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、SNSアプリ「シグナル」で指示役から指示を受け、令和6年11月3日未明、千葉県四街道市内で2件の犯行に及んだ。第1事件では、金品窃取の目的で被害者X方に窓ガラスを割って侵入しようとしたが、建物内に人がいることに気付き逃走し未遂に終わった。第2事件では、共犯者と共謀の上、金品強取の目的で被害者Y方(当時57歳)に侵入し、馬乗りになって顔面を30〜40回殴打し、首を絞め、腹を蹴るなどの暴行を加えた上、シグナルの通話機能越しに指示役が「金はどこだ」「奥さんがどうなってもいいのか」などと脅迫し、反抗を抑圧して現金1万3000円を強取した。Yは鼻骨骨折等の加療約1か月間を要する傷害を負った。 【争点】 第1事件における住居侵入の目的が金品強取(強盗目的)か金品窃取(窃盗目的)かが争われた。検察官は強盗目的を主張したが、被告人は、指示役から「家には人がおらず旅行中」と説明を受けており、侵入時点では人がいないと確信していたと供述した。裁判所は、被告人の供述が客観的証拠(侵入直前に送信した写真で建物内の明かりが見えない点)と整合し、不利益事実も含む供述であることから信用性を否定できないとし、金品窃取の目的にとどまると認定した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、第2事件について、夜間の住居侵入、顔面への執拗な暴行、家族の生命への危険を示唆する脅迫など危険かつ悪質な犯行態様であり、被害者の肉体的・精神的苦痛は大きいと指摘した。被告人はギャンブルによる借金から報酬目的で犯行に及び、実行役として臨機応変に暴行を行うなど不可欠な役割を担った一方、組織における地位は末端で従属的立場にとどまるとした。犯罪事実以外の事情として、母親の出捐による100万円の被害弁償と被害者の処罰感情の緩和、事実を認めた上での反省、前科前歴がないことを考慮し、同種事案の中では中程度と位置づけた上で、求刑懲役10年、弁護人の意見懲役6年に対し、懲役7年(未決勾留日数160日算入)を言い渡した。