損害賠償請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、旧統一教会(本件教団)の信者である1審原告が、ジャーナリストである1審被告がインターネット上のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」に掲載した記事、テレビ番組での発言、シンポジウムでの発言及びX(旧Twitter)への投稿(本件発言①〜⑤)により名誉を毀損されたと主張し、不法行為に基づく損害賠償1100万円及び投稿記事の削除を求めた事案である。1審原告は、家族による脱会説得のため約12年5か月間マンションに滞在し、別件訴訟で監禁被害を主張して高裁で約2200万円の賠償を得ていた。1審被告は、1審原告の状態を「引きこもり」と表現する記事等を配信した。原審は11万円の限度で一部認容したため、双方が控訴した。 【争点】 ①本件各発言が1審原告の社会的評価を低下させるか、②公共性・公益目的性の有無、③「引きこもり」との事実摘示の真実性又は真実相当性、④別件訴訟(別訴高裁判決)の事実認定が本件訴訟を拘束するか。1審原告は、確定した別訴高裁判決が監禁を認定した以上、1審被告の真実性の主張は新規証拠によるべきと主張した。 【判旨】 控訴審は、1審原告の請求を全て棄却した。「引きこもり」との表現は社会的評価を低下させうるものと認めつつ、公共の利害に関する事実であり公益目的も認められるとした。真実性について、1審原告は体格で家族の女性らに圧倒的に優り、家族から再三退去を促されても出ていかず、最終的に力尽くで外に押し出されたこと等から、引きこもりの重要部分の真実性が証明されたと判断した。別訴高裁判決との関係では、1審被告は別件訴訟の当事者ではなく判決に拘束されないこと、自由心証主義により過去の裁判の事実認定に拘束されないことを明示し、別訴高裁判決で認定されなかった事実(家族が退去を促した事実等)も本件では証拠に基づき認定できるとした。