詐欺幇助、詐欺、所得税法違反
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、「G」を自称し、マッチングアプリ等を通じて知り合った男性被害者3名(H、I、J)に対し、言葉巧みに好意があるように装って恋愛感情を抱かせた上、親との縁切りのための手切金、知人への借金返済、家賃滞納、携帯電話料金の滞納、アパレル会社設立時の借金返済など様々な虚偽の名目を告げて繰り返し金銭を詐取し、被害総額は合計約1億5000万円に上った(判示第2ないし第4)。また、被告人は、男性を籠絡して金銭をだまし取る手法をマニュアル化した文書データをインターネット上で販売し、これを購入したAが偽名を用いて被害者2名から合計約1065万円を詐取するのを幇助した(判示第1)。さらに、被告人は、詐取した金員を所得として申告せず、令和3年分の所得税約2806万円及び令和4年分の所得税約1227万円の合計約4034万円をほ脱した(判示第5)。被告人が詐取した金銭はホストクラブでの遊興費等に費消されており、被害回復はなされていない。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役9年及び罰金800万円に処した(求刑:懲役13年及び罰金1200万円)。裁判所は、被害者らの男性心理を手玉に取りその好意に付け込む誠に狡猾な犯行であること、被害額が非常に多額であること、被害者の中には長年の貯蓄を取り崩し生命保険を解約してまで金銭を工面しほぼ全財産をだまし取られた者もいること、詐取した金銭をホストクラブでの遊興費に費消し被害回復がなされていないこと、詐欺の手法をマニュアル化して販売し同種犯罪を主体的に助長したこと、多額の税金をほ脱したこと、意中のホストの売上げに貢献するための資金を得るという動機が身勝手であることを指摘し、刑事責任は相当重いとした。他方、被告人が事実を認め謝罪と賠償の意思を示していること、詐欺幇助の点で本犯者と被害者間で示談が成立していること、詐取金の使途先であるホストが1800万円弱を被害者に返還する意向を示していること、前科は異種罰金前科1犯にとどまること等を考慮し、主文の刑を量定した。