法人税青色申告承認取消処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 上告人(法人)は、行橋税務署長から令和元年12月10日付けで、平成30年7月1日から令和元年6月30日までの事業年度以後の法人税に係る青色申告の承認の取消処分(本件処分)を受けた。上告人は、本件処分に先立ち事前に防御の機会(告知・弁解の機会)が与えられなかったことが憲法31条に違反すると主張して、本件処分の取消しを求めた。第一審・控訴審ともに上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した。 【争点】 法人税法127条1項に基づく青色申告の承認の取消処分について、事前に防御の機会を与えなかったことが憲法31条の適正手続の保障に反するか。 【判旨】 最高裁第三小法廷は、上告を棄却した。青色申告の承認の取消処分については、その処分により制限を受ける権利利益の内容・性質等に照らし、相手方に事前に防御の機会が与えられなかったからといって、憲法31条の法意に反するものとはいえないと判示した。このことは、最高裁平成4年7月1日大法廷判決の趣旨に徴して明らかであるとした。 なお、渡惠理子裁判官の補足意見は、平成4年大法廷判決の総合較量の枠組みを確認しつつ、国税不服審判所における充実した審査請求手続の存在が考慮要素の一つとなること、及び行政手続法の制定等の事情変化を念頭に置いた上での判断であることを補足した。 一方、宇賀克也裁判官は反対意見を述べ、不利益処分の事前手続は憲法上の適正手続として原則必要であり、青色申告承認取消処分について例外を認める合理的理由はないと主張した。原判決が挙げる①事後的な不服申立手続の整備、②大量・反復的処分であること、③迅速処理の必要性、④処分理由の提示の各点について、いずれも事前手続を不要とする合理的理由たり得ないと詳細に論じ、本件処分は違憲であるから取消請求を認容すべきとした。