土地改良法違反被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 C土地改良区の理事長であった被告人A(当時、市議会議員も兼務)と、土木工事会社Dの代表取締役であった被告人Bによる贈収賄事件である。 被告人Aは、C土地改良区が指名競争入札で発注する工事について、事務局長Eが被告人Bに対し入札前に落札可能な価格を教示するなどの不正な便宜を図っていることを把握していながら、これを是正せず黙認することの見返りとして、被告人Bから賄賂を受け取った。具体的には、令和2年9月に150万円を収受するとともに、令和3年度にDが受注する全工事の請負代金の3パーセント(後に2パーセントに減額)に相当する金額を受け取る約束をし、令和4年4月に53万円を収受した。賄賂の合計額は203万円に上る。被告人Bは、自社の受注利益を確保するため、上記趣旨の下に賄賂の供与を約束し、実際に供与した。本件は、公共性の高い土地改良区の工事における入札の公正を著しく損なう事案であり、理事長という公益のために尽くすべき立場にありながら私益を図った点で悪質性が高い。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人Aについて、公共性の高い土地改良区の工事に係る公正な競争入札を著しく害した悪質な犯行であり、市議会議員かつ土地改良区理事長として公益に尽くすべき立場にありながら高額の賄賂を収受した点を厳しく非難した。他方、罪を認めて全ての公職を辞していること、古い過失犯の罰金前科3犯のほか前科がないこと、妻が監督を誓約したこと等の事情を考慮し、懲役2年・執行猶予4年とした上で、収受した賄賂203万円の追徴を命じた。 被告人Bについては、自社の利益のための利欲的で悪質な犯行であるとしつつ、罪を認めて経営から退いたこと、前科が古い交通罰金1犯にとどまること、後任の弟が不正防止体制の構築を誓約したこと等を考慮し、懲役10月・執行猶予3年とした(いずれも求刑どおり)。