営利誘拐、威力業務妨害
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、当時15歳の少女Aに対し、携帯電話で「家を出て俺とどこかに行こう」「名古屋なら援交して稼げば生活できる」などと持ちかけ、令和4年12月11日に東京都内で同女を呼び出した上、高速バスで名古屋市内まで連れて行き、その後約3か月間にわたり、愛知県、福岡県、広島県内のホテルに宿泊させるなどして自己の支配下に置き、同女に売春をさせて生活費を稼がせた(営利誘拐、判示第1)。 また、被告人は、共犯者と共謀の上、令和5年2月3日、名古屋市内の回転寿司店において、醤油差しの注ぎ口に直接口を付けて醤油を飲んだかのような動作を2回行い、共犯者がその様子を撮影してツイッターに投稿した。これにより、同店の運営会社はクレーム対応等の業務に支障を生じた(威力業務妨害、判示第2)。 【判旨(量刑)】 裁判所は、まず営利誘拐について、未成年の被害者の浅慮に乗じて同女を食い物にした誠に卑劣な犯行であると指摘した。被害者の母は同女と連絡を取ることもままならず、監護権が大きく侵害されたこと、売春を重ねた被害者自身の心身の健全な成長への悪影響も懸念されるとした。 威力業務妨害については、SNS上で炎上していた別の回転寿司店での迷惑行為動画に触発された無分別な犯行であるとし、運営会社が醤油の廃棄・入替えや店舗消毒等のために少なくとも57万円余りの支出を余儀なくされ、多数の苦情対応等の多大な負担が生じたにもかかわらず、被告人からの被害弁償はなされていないと指摘した。 他方、被告人がいずれの事実も認めて反省の態度を示していること、父が監督を誓約し雇用主も支援の意向を示すなど更生環境が整備されつつあること、若年で前科がないこと等を考慮し、懲役3年・執行猶予5年を言い渡した(求刑:懲役3年)。