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下級裁

不正競争防止法違反

判決データ

事件番号
平成29わ427
事件名
不正競争防止法違反
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2022年3月18日
裁判官
板津正道西脇真由子髙橋祐二

AI概要

【事案の概要】 磁気センサの開発・製造等を目的とするb株式会社の元役員(技監)である被告人aと、同社の生産技術部部長であった被告人cが、共謀の上、不正の利益を得る目的で、同社が保有する営業秘密であるワイヤ整列装置の機能・構造及びアモルファスワイヤを基板上に整列させる工程に関する技術情報を、d社従業員eに対し口頭及びホワイトボードへの図示により開示したとして、不正競争防止法違反(営業秘密開示)で起訴された事案である。b社は、MI(マグネット・インピーダンス)センサの基幹部品であるMI素子を量産するため、1号機から3号機までのワイヤ整列装置を独自に開発していた。被告人らは、b社の了解なく、自ら設立した会社を通じてワイヤ整列装置の試作機を製作するため、d社に製作を依頼する打合せ(本件打合せ)を行い、装置の要求仕様を説明した。求刑は被告人aにつき懲役3年及び罰金200万円、被告人cにつき懲役2年及び罰金100万円であった。 【争点】 ①被告人らが本件打合せで説明した情報がb社の営業秘密に該当するか(非公知性の有無)、②被告人らに営業秘密開示の故意があったか、③被告人らに不正の利益を得る目的があったか。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人両名に無罪を言い渡した。まず営業秘密該当性について、本件打合せで被告人らが説明した情報は、b社のワイヤ整列装置の工程とは重要なプロセスに関して大きく異なる部分があると認定した。具体的には、b社の装置ではアモルファスワイヤに応力を加えないようガイド等の機構を設置しチャック以外でワイヤを挟圧しない方法が採られていたのに対し、被告人らが説明したのは2つの棒状のもので「仮押さえ」をするという全く異なる方法であった。そして、被告人らが説明した情報のうち検察官主張工程に対応する部分は、アモルファスワイヤの特性を踏まえて基板上にワイヤを精密に並べるための工夫がそぎ落とされ、余りにも抽象化・一般化されすぎており、一連一体の工程として見てもありふれた方法を組み合わせたものにとどまるとして、非公知性の要件を満たさないと判断した。次に故意について、仮に客観的に営業秘密開示行為に該当するとしても、被告人aは本件打合せ前に作成したメモで「研究用ワイヤ張り機は公知情報をベースに発想を変えた装置」と整理しており、b社の営業秘密を用いずに装置を開発する意思があった合理的可能性が残ること、b社が極めて抽象化された情報まで営業秘密として管理する意思を明確に示していたとは言い難いこと等から、被告人両名の故意責任は問えないとした。なお、付言として、b社のワイヤ整列装置の工程そのものは営業秘密として保護されるべきものとしつつ、本件打合せでの説明を捉えて営業秘密開示と構成するのは無理があり、無罪とすることは営業秘密の刑事的保護の重要性を軽視するものではないと述べた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。