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下級裁

監禁,保護責任者遺棄致死

判決データ

事件番号
令和2う552
事件名
監禁,保護責任者遺棄致死
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2021年4月19日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
和田真今井輝幸和田真

AI概要

【事案の概要】 被告人両名は、統合失調症に罹患した長女(死亡当時33歳)を、平成14、15年頃から自宅敷地内のプレハブ小屋内に設置した畳1畳程度の居室に入れ、二重扉に外側から施錠し、監視カメラで監視しながら生活させていた。居室内で被害者は衣服を着用せず毛布のみをまとい、1日1回の食事を与えられるだけであった。被告人両名は、平成19年3月12日頃から平成29年12月18日頃までの約10年間にわたり被害者を監禁した(監禁罪)。さらに、平成29年12月7日頃、暖房のサーモスタット設定温度を前年冬期の摂氏15度から摂氏10度に引き下げたにもかかわらず、被害者が極度に痩せた状態で裸同然の状態にあることを認識しながら、室温の適切な管理や医師の治療を受けさせるなどの生存に必要な保護を行わず、同月18日頃、低栄養及び寒冷環境曝露による凍死により被害者を死亡させた(保護責任者遺棄致死罪)。原審は被告人両名をそれぞれ懲役13年に処し、被告人両名が控訴した。 【争点】 弁護側は多岐にわたる主張を展開した。第一に、原審が遺体解剖写真を証拠採用したことは、見る者の感情を激しく揺さぶり理性的判断を妨げるもので訴訟手続の法令違反があるとした。第二に、監禁罪の成否について、被害者自身が狭い場所を好んでおり黙示の承諾があった、被告人両名は被害者の危険防止のため行動しており違法性が阻却される等と主張した。第三に、被害者の死因は1型糖尿病の急激な悪化等の可能性があり凍死とは断定できないとした。第四に、被告人両名は被害者の痩せ方の変化に気づきにくく、室温設定も被害者が暑がりであったことへの配慮であり、不保護の故意がないと主張した。第五に、自首減軽がされていない法令適用の誤りがあるとした。 【判旨(量刑)】 大阪高裁は、弁護側の主張をすべて退け、控訴を棄却した。遺体写真の証拠採用については、争点との関連性が明らかで必要性も高く、適切な代替証拠がなかったことから法令違反はないとした。監禁罪の成立については、約10年間にわたり畳1畳の空間に施錠して閉じ込め外部との接触を一切断たせた行為は「常軌を逸したもので、およそ社会的に許容されない」とし、被害者による有効な承諾は考えられず、医師から入院等の助言を受けながらそれに従わなかった以上、危険防止目的があっても違法性は否定されないとした。死因については、解剖医の判定は法医学の専門的知見に基づく合理的なもので信用性が高いとした。不保護の故意については、被害者の尋常でない痩せ方や簡易トイレに座ることも困難な衰弱状態を監視カメラで認識しており、摂氏10度の室温が裸で毛布のみの被害者の生命に影響し得ることは社会常識上極めて明らかであるとした。量刑については、保護責任者遺棄致死の事案として最も重い量刑と同等であるが、10年にわたる非人道的な監禁と相まって事案に相応の刑であり、罪証隠滅工作や不合理な弁解に終始した態度からも反省の情は見出せないとして、懲役13年の量刑は正当であると結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。