都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3092 件の口コミ
下級裁

(事件名なし)

判決データ

事件番号
平成30わ453
事件名
(事件名なし)
裁判所
神戸地方裁判所
裁判年月日
2021年11月4日
裁判官
飯島健太郎安西二郎成田昌平

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成29年7月16日早朝、神戸市内の自宅及びその周辺において、同居する祖母(当時83歳)及び祖父(当時83歳)を金属製バットや包丁で襲撃して殺害し、母(当時52歳)にも同様の暴行を加えて重傷を負わせた(殺人未遂)。さらに、自宅を出て近隣住民の男性(当時79歳)の敷地に侵入して包丁で刺殺し、別の小屋にいた男性(当時65歳)にも包丁で切りつけて重傷を負わせた(殺人未遂)。被告人は犯行後、包丁と金属バットを所持したまま神社に向かう途中で警察官に現行犯逮捕された。被告人は退職後に自宅に引きこもる生活を送る中で、ゲーム作品に暗号が隠されているとの妄想を抱くようになり、やがて特定の女性(G)の幻聴が聞こえ始め、Gから「自分とG以外の人間は全て哲学的ゾンビ(自我や感情のない存在)である」と告げられたと確信するに至った。犯行当日、被告人はGとの結婚の試練として「神社に行くまでに出会った哲学的ゾンビを倒せ」との指示を受けたと思い込み、本件各犯行に及んだものである。 【争点】 本件では、被告人が各犯行を行ったこと自体に争いはなく、争点は被告人の責任能力の有無・程度であった。弁護人は、被告人は重度の統合失調症による妄想・幻聴の圧倒的な支配下で犯行に及んだものであり心神喪失であると主張した。これに対し検察官は、妄想等の影響は圧倒的ではなく善悪判断能力・行動制御能力が著しく低下していたにとどまるとして心神耗弱を主張し、無期懲役を求刑した。被害者参加人は、被告人の妄想は詐病であり完全責任能力を有していたとして死刑を求刑した。 【判旨】 神戸地裁は、被告人に対し無罪を言い渡した。裁判所は、捜査段階で2回行われた精神鑑定のうち、被告人と計11回の面接を行ったJ医師の鑑定を基礎とすべきと判断した。J鑑定は、被告人が犯行当時、妄想型統合失調症に罹患しており、Gとの結婚のために哲学的ゾンビを倒すという動機は二重の意味で了解不能であり、精神症状の圧倒的な影響下で犯行に及んだとするものであった。他方、被告人と約5分間面会したのみのK医師の鑑定は、正常な精神構造が一定程度機能していたとするものであったが、鑑定手法が不十分であり同等の信用性は認められないとした。裁判所は、検察官が指摘した犯行時の被告人のためらい、被害者への同情的言動、逮捕後の供述等についても、哲学的ゾンビであるとの確信と矛盾しない説明が可能であるとし、被告人の性格傾向や生活状況を考慮しても本件各犯行との間には著しい乖離があるとの見方が成り立ち得るとした。結論として、被告人が心神耗弱にとどまったとまでは認められず、心神喪失状態にあった合理的疑いを払拭できないとして、全公訴事実について無罪を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。