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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和3ネ100
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2021年12月9日
裁判種別・結果
その他
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 大阪府立高校の教員であった控訴人は、36年間にわたり理科教諭として勤務し、平成29年3月31日に定年を迎えるにあたり、大阪府教育委員会(府教委)に再任用の選考を申し込んだ。ところが、府教委は、控訴人に対し、卒業式又は入学式における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令に従うかどうかの意向確認を行った(本件意向確認)。控訴人は過去に国歌斉唱時の不起立により2度の戒告処分を受けており、研修後に提出した意向確認書では「憲法その他の上位法規に触れると判断した場合はこれを留保します」と修正して提出していた。府教委は、起立斉唱を含む職務命令に従うとの意向確認ができなかったとして、控訴人の再任用選考結果を「否」とした(本件不採用)。一方、同年度の選考では、生徒に対する体罰を複数回行い戒告より重い減給1月の懲戒処分を受けた別の教員(教員A)は再任用「合格」とされていた。控訴人は、本件意向確認が思想良心の自由(憲法19条)を侵害し違憲違法であること、本件不採用が裁量権の逸脱・濫用であることを主張し、大阪府に対し国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた。原審(大阪地裁)は控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 1. 本件意向確認が違憲違法なものか 2. 本件不採用に裁量権の逸脱・濫用があるか 3. 本件不採用による控訴人の損害額 【判旨】 大阪高裁は、争点1(本件意向確認の違憲違法性)については原審の判断を維持し、憲法19条に違反するとはいえないとした。 しかし、争点2(本件不採用の裁量権逸脱・濫用)については、原審を変更し、府教委の判断を違法と認定した。その理由として、まず、雇用と年金の接続を図る法的対応が進む中、大阪府の教職員の再任用率は平成24年度から29年度まで99.45%〜99.92%で推移しており、再任用を希望する教職員には法的保護に値する合理的期待が生じていたと認定した。そのうえで、戒告処分(2回)にとどまる控訴人を「否」とし、より重い減給1月の懲戒処分を受けた教員Aを「合格」としたことは、本来重視されるべき懲戒処分の軽重を軽視し、反省の態度等を過度に重視するもので合理性を欠くと判断した。さらに、校長の内申で控訴人の総合評価が「適」であったこと、控訴人が国歌斉唱時の起立斉唱以外の職務命令には一貫して従う意向を示していたこと等も考慮し、府教委の判断は客観的合理性や社会的相当性を著しく欠き、裁量権の逸脱又は濫用にあたり違法であるとした。 損害については、逸失利益として再任用期間1年分の給与相当額から中間収入を控除した287万4441円、弁護士費用28万円の合計315万4441円を認容し、慰謝料は逸失利益の賠償により慰謝されるとして認めなかった。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。