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下級裁

国家賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1ネ3621
事件名
国家賠償請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2020年1月15日
裁判種別・結果
その他
裁判官
近藤昌昭渡邉左千夫吉田徹
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、警視庁A警察署所属の警察官に逮捕・引致され、同署に留置された原告(控訴人)が、身柄拘束中に夕食が提供されなかったことは違法であるとして、国(被控訴人)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金15万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 原告は、平成30年3月2日午後2時45分頃に職務質問を受け、同日午後4時37分に脅迫被疑事件の被疑者として通常逮捕された。その後、A署に連行されて司法警察員に引致され、取調べや病院での診察を経て、同日午後10時06分に留置場へ留置された。翌朝の朝食までの間、夕食は提供されず、原告は翌朝、夕食をとれなかった旨の苦情を申し立てた。 一審は原告の請求を全部棄却したため、原告が控訴した。なお、刑事収容施設法は、留置施設に留置された「被留置者」への食事提供を義務付けているが、逮捕後留置前の被逮捕者への食事提供を直接定めた法令は存在しない点が、本件の法的難点となっている。 【争点】 身柄拘束中の被逮捕者に食事を提供しなかったことについて、国家賠償法上の違法性があるか、及び損害の有無・額である。 【判旨】 東京高等裁判所は、原判決を取り消し、慰謝料1万円と弁護士費用1000円の限度で請求を認容した。 判決は、まず、逮捕・留置の目的に反しない限り、身柄を拘束された被疑者には生命・身体の維持に必要な活動を行うことが保障されなければならず、これに反する態様の身柄拘束を行った公務員は国家賠償法上違法となると解すべきと示した。 その上で、逮捕後留置前の被逮捕者への食事提供を直接義務付けた法令はないものの、一般的な生活習慣に鑑み、通常食事をとることが想定される時刻をまたいで身体的拘束が相当な長時間継続し、又はその継続が見込まれる場合には、逮捕・引致・取調べ・留置業務に従事する警察官等は、被疑者からの申出の有無にかかわらず、直近の食事時刻を確認するなどした上で、食事希望の有無を確認し、希望があれば食事を提供すべき義務を負うと判示した。 理由として、食事は生命・身体の維持に不可欠であり、身柄拘束中の被疑者には最低限の食事機会が保障されるべきこと、空腹による苦痛は大きく、被疑者が率直に食事を申し出ることを躊躇する場合もある一方、警察官による確認は極めて容易であることを挙げた。 本件では、職務質問から翌朝までの約16時間にわたり食事がとれず、通常食事をとる時刻をまたいで長時間の身体拘束が継続していたにもかかわらず、A署警察官が食事希望の確認を怠ったとして、国家賠償法上の違法性を認めた。被告の「原告からの食事要求がなかった」「原告が意図的に要求しなかった」との主張は、確認義務の存在を前提に退けられた。 本判決は、留置前の被逮捕者に対する食事提供義務を警察官の注意義務として正面から認めた点で、刑事施設実務に重要な指針を示したものといえる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。