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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ43575
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年6月4日

AI概要

【事案の概要】 くも膜下出血のため被告病院(大学附属病院)のSICU(外科系集中治療室)に入院していた亡C(当時66歳・男性)が、SHCUへの転床後、ベンゾジアゼピン系鎮静剤(フルニトラゼパム及びニトラゼパム)の投与下で呼吸停止に至り、低酸素脳症によるいわゆる植物状態(遷延性意識障害)となり、約4年半後に多臓器不全で死亡した。亡Cの妻である原告A及び子である原告Bが、病院を開設する学校法人(被告D)に対しては、生体情報モニタのアラーム設定の誤り・見落とし、鎮静剤の不適切かつ過剰な投与、監視・観察義務の懈怠を理由に債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を、生体情報モニタ及び管理システムの製造・販売会社(被告Eら)に対しては、仕様設計上の欠陥等を理由に製造物責任法又は不法行為に基づく損害賠償を請求し、原告ら各自につき約8916万円を求めた事案である。 【争点】 (1) 生体情報モニタのアラーム設定を誤り見落とした過失(過失1)の有無、(2) 鎮静剤を不適切かつ過剰に投与した過失(過失2)の有無、(3) 監視・観察を怠った過失(過失3)の有無、(4) 管理システム(Mirrel)及びセントラルモニタに仕様設計上の欠陥があるか(過失4)、(5) 指示・警告・説明上の欠陥があるか(過失5)、(6) 各過失と結果との因果関係、(7) 損害額。 【判旨】 裁判所は、まず過失2(鎮静剤の過剰投与)について、亡Cがくも膜下出血の再出血予防のために十分な鎮静が必要な状態にあり、統合失調症の既往から不穏な言動もみられたこと、フルニトラゼパムの投与量は成人投与量の上限の範囲内であったこと等から、過失を否定した。次に過失1(アラーム設定の見落とし)について、SICUからSHCUへの転床時に、電子カルテの転床操作に伴い管理システムを通じて転床元のアラーム設定(SPO2等がOFF)が転床先に自動上書きされたにもかかわらず、1日2回の確認が義務付けられていたアラーム設定確認を約5日間にわたり怠り、SPO2やAPNEA等のアラームがOFFのままであったことに誰も気付かなかった点に過失を認めた。被告Eらに対する製造物責任については、転床元の設定を引き継ぐ仕様は不合理とはいえず仕様設計上の欠陥はないとし、取扱説明書にも本件仕様は記載されていたとして指示・警告上の欠陥も否定した。因果関係については、アラーム設定が維持されていればSPO2が90%を下回った時点で異常を察知し低酸素脳症を回避できたとして相当因果関係を認め、遷延性意識障害により感染しやすくなった結果の敗血症・死亡との間にも因果関係を肯定した。損害額は、亡Cの損害合計約5189万円(死亡慰謝料2200万円、休業損害約1177万円、逸失利益約874万円等)を認定し、原告ら各自につき約3019万円(相続分+固有の慰謝料150万円+弁護士費用)の支払を被告Dに命じた。被告Eらに対する請求は棄却された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。