AI概要
【事案の概要】 平成13年6月、兵庫県姫路市内の郵便局において、自称Aほか1名の黒人男性が郵便局員らに暴行脅迫を加え、現金約2275万円を強取する強盗事件が発生した。請求人はAと共謀して本件強盗に及んだとして起訴されたが、一貫して犯人ではないと主張した。確定審(神戸地方裁判所姫路支部)は、請求人が購入したエアガンや車両が犯行に使用されたこと、被害現金や証拠物が請求人の管理する倉庫から発見されたこと、犯行直後に倉庫付近で請求人が目撃されたこと等の間接事実から、請求人を有罪(懲役6年)とし、控訴棄却・上告棄却を経て確定した。請求人は刑訴法435条6号(無罪を言い渡すべき明らかな新証拠の発見)及び同条1号(証拠の偽造)を理由に再審請求をした。 【争点】 主な争点は、(1)請求人以外の者が本件倉庫に立ち入ることが可能であったか、(2)防犯カメラ映像の改ざんの有無、(3)目出し帽のDNA型鑑定結果、(4)請求人の血液型・足のサイズ・左足負傷等から実行犯人性に合理的疑いが生じるか、(5)請求人が主張する真犯人「C」の実在性、(6)刑訴法435条1号の再審理由の有無である。なお、即時抗告審(大阪高裁)が、実行共同正犯でない共犯の可能性について審理を尽くすよう差し戻していた経緯がある。 【判旨】 神戸地方裁判所は、再審請求を棄却した。まず、倉庫への立入り可能性について、弁護人が提出したH・E・Iの各陳述書やDVDを検討したが、Hの陳述は客観的証拠と矛盾し信用性に乏しく、Eの陳述書も確定審での一貫した証言態度に照らし信用し難く、Iの陳述書は新規性がないと判断した。次に、防犯カメラ映像について、「砂嵐」部分が復元されたとする弁護人の主張は認められず、捜査機関による改ざんも認められないとした。目出し帽のDNA型・血液型・足のサイズ・左足負傷・指掌紋に関する各証拠についても、いずれも請求人の実行犯人性に合理的疑いを生じさせるものではないとした。Cの実在性については、確定判決の判断構造に影響を与えないとして明白性を否定した。刑訴法435条1号についても、同条の「確定判決」は刑事の確定判決を指し、国家賠償請求事件の判決は含まれないとして退けた。以上から、再審理由はいずれも認められないと結論づけた。