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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10119
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月6日
裁判官
鶴岡稔彦高橋彩寺田利彦

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告(株式会社ドワンゴ)が保有する「ブロマガ」の文字からなる登録商標(第5617331号。平成24年9月27日出願、平成25年9月20日設定登録)について、原告(エフシーツー,インク.)が商標登録無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた事案である。 原告は、平成16年10月からブログサービス「FC2ブログ」を提供している事業者であり、平成21年1月20日、FC2ブログにおいて、ユーザーがブログ記事に課金設定をして投稿することで、ポイントを支払った読者のみが当該記事を閲覧できる有料コンテンツ配信サービス(原告サービス)を「ブロマガ」との名称で開始した。原告は、本件商標の出願日(平成24年9月27日)以前から、引用商標である「ブロマガ」を原告サービスの表示として使用していたと主張し、これが周知であったにもかかわらず被告が同一商標を登録したのは商標法4条1項10号(他人の業務に係る周知商標と同一・類似の商標)及び同項15号(他人の業務に係る商品・役務と混同を生ずるおそれのある商標)に該当すると主張した。 原告は、周知性の根拠として、平成21年1月のサービス開始時に4つのウェブメディア(japan.internet.com、MarkeZine、ZDNet Japan、CNET Japan)で紹介されたこと、6冊の書籍にFC2ブログの管理画面や課金機能として「ブロマガ」の記載があること、著名人QがTwitterで4回言及したこと、被告の新サービス発表会で会場から「FC2の有料ブログもブロマガだったが、あえて同じにした?」との質問が出たこと、原告サービスの売上げ等を挙げていた。 【争点】 争点は、引用商標「ブロマガ」が本件出願日当時、原告の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間で周知であったといえるか(商標法4条1項10号該当性)、及び、周知性が認められない場合にも同項15号の「混同を生ずるおそれがある商標」に該当する余地があるか、である。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。 第一に、4条1項10号について、原告サービスはブログ記事の投稿者のみならず一般読者をも対象とするものであり、需要者はインターネット利用者一般であると認定した。その上で、引用商標が需要者の間で周知であったとはいえないと判断した。ウェブメディア4件の紹介記事は同日掲載で各記事自体のPV数も不明であり、出願日まで約3年8か月以上経過している点を踏まえると周知性の裏付けにならない。書籍6冊については販売部数が不明であり、かつ管理画面の表示方法の変遷も明らかでないため、FC2ブログ利用者の間での周知性獲得を認めるには足りない。著名人Qのツイート4回は、Twitterの性質(大量のツイートがタイムラインに順次流れる)からすれば周知性の根拠とならず、同人のメルマガ購読者約1万人のうち原告サービス経由は少数にとどまる。新サービス発表会での1度の質問も周知性を裏付けない。原告サービスの売上げに係るブログ記事数や広告費用も不明であることを総合すると、本件出願日当時、引用商標が周知であったとは認められない。 第二に、4条1項15号について、最高裁平成12年7月11日判決(レールデュタン事件)を引用し、「混同を生ずるおそれ」の有無は商標の類似性、他人表示の周知著名性・独創性、商品・役務の関連性、取引者・需要者の共通性等を総合して判断すべきところ、同号はフリーライドやダイリューションの防止による商標の自他識別機能の保護を目的とするものであって、引用商標が周知性すら備えていない場合には需要者が当該表示を想起・連想することがなく、出所混同のおそれも生じ得ないから、同号が適用される余地はないと判示した。最低限の周知著名性は同号適用の前提であると明示した点に、本判決の実務的意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。