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下級裁

窃盗

判決データ

事件番号
平成29わ672
事件名
窃盗
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2019年2月20日

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が共犯者6名及び氏名不詳者らと共謀の上、平成28年7月8日午前9時27分頃、福岡市内のビル1階エレベーター前エントランスにおいて、被害者ら管理の金塊合計160個(重量約160キログラム、時価合計約7億5840万円)在中のキャリーケース5個、及び現金約130万円や財布等在中のショルダーバッグ1個(時価合計約24万円相当)を持ち去って窃取したとして、窃盗罪で起訴された事案である。 実行犯らは、レンタカー2台を借り、「POLICE」と記載されたワッペン付きのベストなど警察官のように見える服装をして現場付近で待ち構えた。被害者らが金塊入りのキャリーケースをビル内に運び込もうとした際、被告人らはビル内に侵入し、被害者らに対し「警察だ」「分かっているんだろうな」「中身を見せろ」などと声を掛け、「これは密輸品だ」と言うなどして警察官による職務の執行を装った。共犯者らがキャリーケース等を持ち去って逃走する間、被告人は一人現場に残り、被害者らに「中身を調べてくるから、おまえらはここで待ってろ」などと告げて足止めした。実行犯らは逃走途中、山口県下関市内の河川敷に、キャリーケースや衣類、身分証入りのショルダーバッグを投棄した。その後、主犯格のAは金塊のうち90キログラムを買取業者に売却し、4億3000万円余りの現金を得て、被告人らで分配した。被告人は9000万円ないし1億円を得たとされる。 【争点】 弁護人は、①持ち去りについて被害者らの同意があった、②少なくとも被告人はその同意があると認識していたから窃盗の故意がない、③ショルダーバッグの持ち去りについては共謀がない、として無罪を主張した。 裁判所は、実行犯らが警察官を装って被害者らを誤信させ、時間稼ぎをしながら金塊を持ち去り、証拠を隠滅した上で被害品を直接換金して高額の利益を得、その後多額の示談金支払いを試みたという一連の経過から、本件持ち去りが被害者らの意思に反する窃取行為であると強く推認した。施錠されたキャリーケースの鍵を破壊していた点や、重要な身分証明書入りのバッグまで投棄された事情も、この推認を強めるものとした。また、被害者らをはじめ金塊の買付・転売関係者のいずれも盗難保険に加入しておらず、本件によって何の利益も得ていない点も、同意の不存在を裏付けるとした。被告人の認識についても、犯行態様自体から被害者らの同意がないと認識していたことが強く推認され、「同意のある者から金塊を運び出すだけで半分相当の報酬が得られる」旨の説明を信じたとの弁解は荒唐無稽であって信用できないとした。ショルダーバッグについても、通報手段を奪う目的での持ち去りであり、キャリーケース等の窃取の共謀に包括されると認定した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件が警察官を装うという巧妙な手口により計画的・組織的に敢行された犯行であり、被害額が時価合計7億円以上と類例を見ないほど高額であるにもかかわらず被害弁償が一切されておらず、窃盗事案の中でも悪質性が強いと評価した。金塊が正規に日本国内に持ち込まれたものではない疑いがあるとしても、利欲的動機による奪取を正当化する理由にはならないとして、法益侵害の程度が低いとする弁護人の主張を排斥した。 被告人の役割について、警察官のような服装で現場に赴き、被害者らに直接声を掛け、他の実行犯の離脱後も一人現場に残って被害者らを足止めする重要な役割を果たし、さらに複数の実行役を本件犯行に引き入れた点、得た報酬が主犯格Aや共犯Eと並んで最も高額であり、報酬の分配決定にも関与した点から、A及びEに次ぐ主導的立場にあったと認定した。これに加え、被告人に同種前科を含む複数の前科があること、虚偽の弁解に終始し反省が見られないことなどの一般情状をも考慮し、求刑懲役10年に対し、被告人を懲役8年に処し、未決勾留日数中300日をその刑に算入した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。