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知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ19731
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年2月28日
裁判官
沖中康人奥俊彦髙櫻慎平

AI概要

【事案の概要】 本件は、「B」という芸名で活動する女性である原告が、自身の両脚をスマートフォンで撮影した2枚の写真について著作権および著作者人格権を有していたところ、氏名不詳者がインターネット上の電子掲示板(いわゆる「V系初代たぬきの掲示板」)に、当該写真を結合した画像のURLを無断で投稿したことにより、原告の複製権・公衆送信権および同一性保持権が侵害されたことが明らかであると主張し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、発信者情報を保有する経由プロバイダである被告(ソフトバンク株式会社)に対し、発信者情報の開示を求めた事案である。 問題となった投稿は、画像共有サービス「たぬピク」に画像を添付したメールを送信すると、アップロード先URLが送信者に返信される仕組みを利用してなされた。本件では、画像がメール送信されてからわずか1分05秒後に、そのURLが掲示板に投稿されている点が特徴的である。また、当該掲示板をスマートフォンで閲覧すると、URLがそのまま表示されるのではなく、URL先の画像自体が表示される、いわゆるインラインリンク的な仕組みとなっていた。 【争点】 主たる争点は、本件投稿により原告の権利が侵害されたことが明らかといえるかであり、具体的には、①被写体が人物の脚のみという構図の写真に著作物性が認められるか、②画像ファイル自体を投稿したのではなくそのURLのみを掲示板に書き込んだ行為が、複製権・公衆送信権侵害に当たるか、③2枚の写真を合成して一部が切除された点が同一性保持権侵害に当たるか、である。被告は、脚を中心に据えた構図はありふれており創作性がない、URLの書込みは文字データの流通にすぎず送信行為ではない、画像アップロードと投稿は異なるIPアドレスからなされており同一人物とはいえないなどと反論した。 【判旨】 東京地裁は、本件写真2について、大腿部から足先に向けたアングル、右斜め前方からの光線による陰影、テーブル・スリッパ・ショートパンツの白色の組合せ等において撮影者の個性が表れているとして、写真の著作物に当たると認めた。 その上で、URL投稿と公衆送信権侵害の関係について次のように判示した。すなわち、メール送信によるアップロード段階ではURLが送信者にしか知られておらず、それ自体では公衆送信権侵害には当たらない。しかし、①アップロードから投稿までわずか1分05秒しか経過しておらず、②URLは送信者にしか返信されない仕組みであることを前提とすれば、無関係の第三者が当該URLを入手して投稿することは想定し難く、アップロード者と投稿者は同一人物と認められる。そして、掲示板をスマートフォンで閲覧すると画像自体が表示される仕組みであることを踏まえると、投稿者は画像をアップロードしそのURLを書き込むことで、画像データを公衆が受信し得る状態にしたものであり、これを全体としてみれば本件投稿により公衆送信権が侵害されたといえると判断した。 以上から、権利侵害の明白性が認められ、かつ損害賠償請求権行使のために発信者情報の開示が必要であるとして、原告の請求が全部認容された。本判決は、URLの書込み行為について、アップロード行為と一体としてとらえれば公衆送信権侵害を構成し得ることを示したものであり、いわゆるリーチサイト的な態様における発信者情報開示実務において参考となる事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。