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知財

特許権侵害差止等請求事件,特許権侵害差止請求事件,特許権侵害に基づく損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成28ワ42833
事件名
特許権侵害差止等請求事件,特許権侵害差止請求事件,特許権侵害に基づく損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年3月7日
裁判官
沖中康人奥俊彦髙櫻慎平

AI概要

【事案の概要】 富士フイルム(原告)が、磁気記録テープカートリッジに関する二件の特許権(磁気記録媒体の表面構造に関する本件特許1、及び磁気記録再生システムに関する本件特許2)を有するとして、ソニー及びそのグループ会社2社(被告ら)に対し、LTO-7規格に準拠するデータカートリッジ(被告自社製品及びHPE・Quantum向けOEM製品)の製造・販売等が特許権を侵害すると主張した事案である。原告は、特許法100条に基づく差止め・廃棄・製造設備の除却と、特許法102条2項に基づく合計約52億円の損害賠償を請求した。LTO規格はHP・IBM・Quantum(TPCs)が策定した業界標準であり、両当事者ともTPCsと特許ライセンス契約(AP-75契約)を締結していた点が背景にある。 【争点】 主要な争点は、①本件管轄合意(原告AP-75契約の外国専属管轄条項)の効力が第三者たる被告らに及び日本の国際裁判管轄が否定されるか、②被告製品が本件発明1の技術的範囲(磁性層・バックコート層の10μmピッチにおけるスペクトル密度等の数値限定)に属するか、③本件特許1・2に進歩性欠如等の無効理由が存するか(公然実施品たる磁気テープ1や乙45文献との対比)、④被告3社間の取引に共同不法行為が成立するか、⑤海外販社への輸出を経由する取引形態にも特許法102条2項の推定が及ぶか、⑥本件発明1の寄与度等による推定覆滅の可否、である。 【判旨】 東京地裁民事第47部は、まず管轄合意の文言上被告らは契約当事者に含まれず、第三者受益者として合意の効力が及ぶとの被告主張も採用できないとして日本の国際裁判管轄を肯定した。次に、数値限定構成要件に関する測定方法は本件明細書1段落【0013】の記載により特定可能であるとして実施可能要件違反・明確性要件違反の主張を退け、原告側測定結果を採用して被告製品が本件発明1の全構成要件を充足すると認定した。無効主張についても、磁気テープ1は約10年の長期使用を経ており現時点の測定値は製造当時の表面状態を反映せず信用できないこと、及びDDS3規格との一体不可分性から強磁性金属粉末を六方晶フェライト粉末に置換する動機付けが認められないことを理由に進歩性欠如を否定した。他方、本件特許2については乙45発明及び周知技術から当業者が容易に想到し得たとして進歩性欠如の無効理由を認め、特許法104条の3により権利行使を許さないとした。共同不法行為については、被告3社が製造・販売・輸出の一連の侵害行為を役割分担していたと認定した。損害論では、特許権者が当該発明を実施していなくても特許法102条2項の適用を認めた知財高裁平成25年判決の立場を踏襲したうえ、海外輸出後に販売されるOEM取引形態についても、意思決定が実質的に国内で行われていたと評価して推定を及ぼし、属地主義にも抵触しないと判示した。推定覆滅事由は一切認めず、被告製品の販売による限界利益全額を原告の損害と認定して合計約50億円余の連帯支払を命じ、併せて差止め及び廃棄を認容した(製造設備の除却請求のみ侵害予防に必要な範囲を超えるとして棄却)。特許法102条2項の適用範囲、輸出取引への推定の及ぶ範囲、共同不法行為の成立範囲について、国際取引を伴う特許紛争に重要な指針を示した判決である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。