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行政

国籍存在確認請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ262
事件名
国籍存在確認請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年4月17日
裁判官
金子修廣澤諭

AI概要

【事案の概要】 控訴人は、コロンビア共和国の国籍を有する母の子として出生した者であり、日本国民である男性Aからコロンビアにおいて認知を受けたとして、平成20年法律第88号による改正後の国籍法附則4条1項の規定に基づき、法務大臣に対して国籍取得の届出を行った。しかし、国籍取得の条件を備えていないとして日本国籍を取得していないとされたため、控訴人は日本国籍を有することの確認を求めて本件訴訟を提起した。原審東京地裁は、平成30年7月24日、控訴人が認知を行った日本国民である男性Aと血縁上の父子関係にないこと等を理由として、控訴人の請求を棄却する判決を言い渡した。控訴人はこれを不服として控訴した。平成20年改正法は、最高裁平成20年6月4日大法廷判決を受けて、父母の婚姻を国籍取得の要件とする従前の国籍法3条1項を改正し、認知された非嫡出子について届出による国籍取得の道を開いたものである。 【争点】 本件の主たる争点は、国籍法3条1項にいう「認知」について、血縁上の父子関係の存在を要件とすべきか否か、及びコロンビアで行われた本件認知の私法上の効力の有無である。控訴人は、憲法10条の趣旨からすれば、国籍法の解釈において拡張解釈や類推解釈は極力避けるべきであり、国籍法3条1項の「認知」について血縁関係を要件とする解釈は許されないと主張した。また、本件認知の効力について、法適用通則法の解釈により、日本法及びコロンビア法のいずれにおいても利害関係人の訴えがあって初めて無効となるものであるから、本件認知は有効であると主張した。 【判旨】 東京高裁は、控訴を棄却した。憲法10条は日本国民たる要件を法律で定めるものとし、国籍の得喪に関する要件をどのように定めるかは立法府の裁量判断に委ねられている(最高裁平成20年6月4日大法廷判決、最高裁平成27年3月10日第三小法廷判決参照)。この趣旨に照らせば、国籍法の規定について立法府が考慮した種々の要因を踏まえて合目的的に解釈することは許され、身分関係の決定について常に私法に委ねなければならないとするのは合理的でないと判示した。そのうえで、我が国の法体系において、血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知は認知制度の本来の趣旨に反するものであって無効であると解されるから、国籍法3条1項の「認知」についても血縁関係の存在を要件と解することは許されるとした。また、本件認知の私法上の効力についても、旧法例18条により父の本国法である日本法と子の本国法であるコロンビア法の両方の要件を具備する必要があるところ、我が国の民法上、血縁上の父子関係のない認知は無効であるから、本件認知はAと控訴人の間に法律上の親子関係を生じさせる効力を有しないと判示した。民法785条により認知者が認知を取り消すことができないからといって、無効な認知が有効と確定するわけではなく、他の訴訟の先決関係としても認知の無効を主張し得ると解すべきであるとした。本判決は、国籍法3条1項の認知に血縁関係を要件とすることを肯定した裁判例として、国籍取得届出実務における血縁要件の位置づけを示す意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。