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下級裁

住居侵入,殺人,死体遺棄

判決データ

事件番号
平成30う1508
事件名
住居侵入,殺人,死体遺棄
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年4月19日
裁判種別・結果
破棄差戻
裁判官
中里智美來司直美
原審裁判所
横浜地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人が、知人であるA(当時25歳)及びその妹B(当時22歳)を殺害する目的で、平成29年7月6日午前3時18分頃、両名が居住する横浜市内のマンション居室に玄関から侵入し、同日午前5時14分頃までの間にAの頸部を圧迫して窒息死させて殺害し、続いて同日午前5時37分頃までの間に帰宅したBの頸部を圧迫して窒息死させて殺害した上、翌7日未明、それぞれの死体を布団圧縮袋に入れた上でキャリーバッグ2個に詰め込んで同室から運び出し、自動車で神奈川県内の山中の保安林まで運搬して投棄したとされる、住居侵入、殺人、死体遺棄の事案である。裁判員裁判で行われた原審(横浜地裁)は、間接事実からの推認により被告人が犯人であると認定した上、犯情は甚だ悪いとしつつも、犯行態様及び犯行動機について格別に刑を重くする事情はなく、妹の殺害及び姉妹の死体遺棄の計画性は認められないなどとして、単独犯による被害者複数名の殺人罪の裁判員裁判において凶器が使用されていない事案で死刑又は無期懲役刑を選択した事案は見受けられないとの量刑傾向を前提に、検察官の死刑求刑に対し、有期懲役刑の上限である懲役23年を言い渡した。これに対し検察官及び弁護人がそれぞれ控訴した。 【争点】 弁護人は、原判決には公判前整理手続の結果を無視した論理構成及び被告人側への挙証責任転換の違法があるとして訴訟手続の法令違反を主張するとともに、被告人が本件殺人及び死体遺棄の犯人であると認定した点に事実誤認があると主張した。検察官は、妹Bの殺害及び姉妹の死体遺棄の計画性を認めなかった原判決の認定に事実誤認があり、量刑も軽きに失して不当であると主張した。 【判旨(量刑)】 東京高裁は、弁護人の訴訟手続の法令違反及び事実誤認の主張、検察官の事実誤認の主張はいずれも理由がないとした。もっとも、検察官の量刑不当の主張については、原判決の量刑判断の過程に大きな問題があり、これを是認できないとした。すなわち、原判決は、裁判員量刑検索システムにおいて「単独犯」「被害者2~4名」「凶器等なし」を検索条件として量刑傾向を把握したが、「凶器等なし」で絞り込んだ結果、該当事案は親族間の心中等のわずか数件にとどまり、本件とは類型を異にする事例を量刑資料としていた点で甚だ不相当であるとした。また、相当な力で少なくとも5分程度頸部を圧迫する態様は、それ自体生命侵害に対する危険性が高く、密室で不意に襲われた被害者らの状況や体力差を考慮すると、凶器使用の場合と質的に異なるとはいえないのであって、「凶器等なし」を分水嶺とする犯行態様の評価自体が相当でないと指摘した。さらに、A殺害の計画性が認定されている以上「計画的」を検索条件とすべきであったこと、B殺害についても帰宅直前の時点で明確な殺意を抱いていたと認定されている以上、とっさの犯行とは犯情を異にすると評価すべきであることなどを指摘し、原判決は、犯行動機、犯行態様の危険性、B殺害の評価等につき、量刑事情の認定・評価が甚だ不十分、不相当であったとした。そして、不適切な量刑資料により量刑傾向の把握を誤ったことが、こうした量刑事情の検討不足に大きく影響していると考えられるとして、原判決を破棄し、本件事案の重大性及び裁判員制度の趣旨に照らし、改めて裁判員の参加する合議体によって、適切な量刑資料を基に量刑事情に関する評議を尽くした上で量刑判断を行うことが相当であるとして、刑訴法397条1項、381条、400条本文により、本件を原裁判所である横浜地方裁判所に差し戻した。裁判員裁判における量刑検索システムの適切な運用と、凶器の有無のみを分水嶺とすることへの警鐘を鳴らした実務上重要な判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。