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損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ500
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年7月25日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
山田陽三倉地康弘久保井恵子

AI概要

【事案の概要】 本件は、コンタクトレンズ販売店の経営等を行う控訴人(一審原告)と被控訴人(一審被告)との間で争われた損害賠償請求事件の控訴審である。両社はかつて提携関係にあり、被控訴人が眼科医P4の経営する会社として、コンタクトレンズ販売店経営のノウハウを有する控訴人に対し、旧大阪駅前店等の店舗運営を委託していた。しかし平成28年6月までにこの提携関係は解消され、以後、控訴人と被控訴人はそれぞれ独立してコンタクトレンズ販売店を経営するようになった。 控訴人は被控訴人に対し、三つの点で損害賠償を請求した。第一に、被控訴人が頒布したチラシが控訴人の販売宣伝用チラシの著作権(複製権・翻案権)および著作者人格権(同一性保持権・氏名表示権)を侵害するとして約178万円、第二に、被控訴人が控訴人の従業員を違法に引き抜いたとして約192万円、第三に、被控訴人はフランチャイズ契約または信義則に基づき競業避止義務を負うにもかかわらず、控訴人の店舗の隣に販売店を設けて顧客を誘導したとして550万円(損害の一部)の賠償を求めた。原審(大阪地裁)はこれらの請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴し、控訴審では本件チラシの頒布が著作権等に限らず「営業上保護された法的利益」をも侵害する不法行為に当たるとする請求原因を追加した。 【争点】 主たる争点は、(1)本件チラシが著作物に該当するか、(2)仮に著作物性がなくとも、デッドコピー的な模倣チラシの頒布が営業上の利益を侵害する不法行為を構成するか、(3)被控訴人が従業員を違法に引き抜いたか、(4)被控訴人が契約上または信義則上の競業避止義務を負っていたか、(5)上新庄店開店等の競業行為が自由競争の範囲を逸脱する違法なものか、である。 【判旨】 大阪高裁は控訴を棄却し、原判決を維持した。著作物性については、本件チラシの表現はいずれもありふれたもので、組み合わせ方にも特徴がないから、著作権法2条1項1号の「創作的に表現したもの」に当たらず著作物に該当しないとした。営業上の利益侵害については、約1年もの時間と労力を費やしたという従業員P3の供述は具体性を欠き信用できず、被控訴人の集客効果も立証されていないから、自由競争を逸脱する違法な冒用とは認められないとした。従業員引抜きについても、被控訴人代表者らが違法な働きかけをした事実は認められないと判断した。 競業避止義務については、フランチャイズ契約の成立を否定したうえで、信義則上の義務についても次のように判示した。すなわち、競業者同士が提携関係にある間は、一方が他方を出し抜き自己の利益のみを追求することが信義則違反と評価される場合があり得るが、提携関係が解消された後は両者とも営業の自由を有するから、特段の合意がない限り信義則上の競業避止義務を認めることはできないとした。本件では平成28年6月までに提携関係が解消されており、競業避止義務の合意も認められない以上、その後の競業行為は自由競争の範囲内であり、上新庄店の開店や顧客勧誘行為も違法とはいえないと結論づけた。 本判決は、提携解消後における信義則上の競業避止義務の成否について、営業の自由を重視しつつその限界を論じた点で実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。