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下級裁

即位の礼・大嘗祭等違憲差止請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1行コ202
事件名
即位の礼・大嘗祭等違憲差止請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年12月24日
裁判種別・結果
その他
裁判官
足立哲濱口浩森健二
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、天皇の即位に伴って行われる即位の礼および大嘗祭関係諸儀式等(本件諸儀式等)について、これに係る国費の支出の差止めを求めた訴訟の控訴審判決です。控訴人(一審原告)らは、被控訴人(国)に対し、「納税者基本権」および「人格権」に基づき、本件諸儀式等への公金支出の差止めを請求しました。 控訴人らは訴状において、本件諸儀式が原告らの信仰の自由を侵害するおそれがあることは明らかであり、自らの思想と良心に対する強い圧迫感と侵害を感じると主張し、政教分離原則違反、国民主権違反、その他憲法上の人権規定違反を理由として国費支出の差止めを求めました。 即位の礼・大嘗祭をめぐっては、宗教的色彩の強い大嘗祭に公費を充てることが憲法の政教分離原則に反するのではないかという問題が従来から議論されており、平成の御代替わりの際にも同種訴訟が提起され、最高裁判決等により結論が示されてきた経緯があります。本件は令和の御代替わりに関して提起されたものであり、原審(東京地方裁判所)は、控訴人らの訴えについて口頭弁論を開くことなく、訴えを却下する判決を言い渡しました。原審は、納税者基本権は裁判上の救済を受けうる具体的権利とは解されず、本件訴えの実質は国民一般の地位に基づき国費支出の違憲・違法を理由に差止めを求める民衆訴訟(行政事件訴訟法5条)に該当するところ、これを認める法律の規定が存在しないため、訴えは不適法でその不備を補正することができないと判断したのです。この却下判決を不服として、控訴人らが控訴を提起しました。 【争点】 本件の争点は、原審が行政事件訴訟法7条・民事訴訟法140条に基づいて口頭弁論を経ずに訴えを却下したことの当否、すなわち、控訴人らの請求が人格権に基づく固有の法律上の利益に関する請求としての実体を有しないことが明白といえるか否かです。民事訴訟法140条は、訴えが不適法でその不備を補正することができないときに限り、口頭弁論を経ないで判決で訴えを却下できるとしており、この例外的な取扱いが本件で許されるかが問われました。 【判旨】 東京高裁(第7民事部)は、原判決を取り消し、本件を東京地方裁判所に差し戻しました。裁判所は、控訴人らの訴状に「原告らは、被告に対し、納税者基本権および人格権に基づいて、政教分離原則違反、主権者としての地位(国民主権)、その他憲法上の人権その他諸規定違反である本件諸儀式への国費の支出の差止めを求める」と明記されていること、訴状上、信仰の自由への侵害のおそれや思想・良心への圧迫感についての具体的な記載があることを指摘しました。 そのうえで、「人格権に基づくことが明記された請求が控訴人らの固有の法律上の利益に基づく請求ではあり得ないとするには無理があり」、原審は控訴人らの人格権に基づく請求について何ら判断することなく補正の余地がないとして訴えを却下したものといわざるを得ない、と判示しました。したがって、原審が口頭弁論を経ずに訴えを却下したことは不適法であり、原判決は判決の手続が法律に違反したものとして、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法306条により取消しを免れないと結論づけ、事件を原審に差し戻しました。 本判決は、即位の礼・大嘗祭への公費支出の合憲性という本案の判断に踏み込んだものではなく、あくまで口頭弁論を経ない却下判決の手続的当否を判断したものですが、人格権に基づく差止請求については少なくとも口頭弁論を開いて審理する必要があることを明らかにした点に実務上の意義があります。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。