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知財

不正競争防止法に基づく差止・損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ22646
事件名
不正競争防止法に基づく差止・損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2018年12月20日
裁判官
沖中康人横山真通髙櫻慎平

AI概要

【事案の概要】 本件は、卵子等のガラス化凍結保存・加温融解に用いる医療関連器具を販売する原告(株式会社北里コーポレーション)が、同種の医療関連器具を販売する被告(株式会社リプロライフ)に対し、被告がそのウェブサイトやカタログ上で自社製品について「解凍後100%生存」「生存率100%」「100% survival」等の表示(本件各表示)を行っていることは、被告製品の品質等を誤認させる表示であり、不正競争防止法2条1項14号(当時)の不正競争行為に当たると主張して、同法3条1項に基づく表示の差止め・抹消と、同法4条・5条2項に基づく損害賠償金7591万7834円等の支払を求めた事案である。 原告は「Cryotop(クライオトップ)」、被告は「Cryotec(クライオテック)」の名称で、不妊治療における卵子・胚のガラス化凍結保存に用いる容器・凍結液・融解液等を販売する競合関係にある。ガラス化凍結とは、高濃度の凍結抑制剤を用いて細胞内の水分を除去した上で液体窒素に急速に浸漬することにより、氷の結晶形成による細胞損傷を避ける超急速凍結法である。被告は、被告代表者が開発した「クライオテック法」と呼ばれる手技とともに被告製品を販売し、その宣伝広告において、手順を厳密に遵守すれば卵子・胚の生存率100%を達成できる旨を強調していた。 【争点】 争点は、本件各表示のうち「100%生存」等と記載された部分(本件記載部分)が、被告製品の品質等について誤認させるような表示に当たるか否かである。原告は、被告製品を用いて手順を遵守しても生存率100%は達成できないとして、複数の国内外の研究報告(生存率95.1%、83.8%等のデータ)を提出し、表示内容の真実性を争った。これに対し被告は、本件各表示はあくまでクライオテック法という技法について言及したものであり、かつ、手順を厳密に遵守した臨床例では100%生存が実現していると反論した。 【判旨】 東京地裁は、本件各表示は医療関係者や研究者において「使用手順を厳密に遵守して被告製品を用いて卵子を凍結保存し融解すると100%の生存率を達成することができる」と理解される表示であると認定した上で、原告が提出した各研究報告について個別に検討した。 すなわち、研究報告1・4については、被告がクライオテック法を完成させた平成24年以前の症例を含むか、担当胚培養士の技量未熟が生存率低下の原因であった可能性があること、研究報告2については、被告製品の操作に慣れていないとの指摘があり手順不遵守例を含む可能性があること、研究報告3については、時期が経過するにつれて生存率が上昇し最終月までに100%に達していたことがうかがわれること、研究報告5については対象症例が明らかでないことを指摘し、いずれの研究報告も、手順を厳密に遵守した場合に100%の生存率を達成できないことを裏付けるに足りないと判断した。 その結果、本件記載部分が被告製品の品質等について需要者を誤認させるおそれがあるとは認められないとして、原告の請求はいずれも棄却された。なお判決は、紛争予防の観点から、本件記載部分の表現については各研究報告の内容も踏まえてより慎重に検討することが望まれる旨の付言を行っている。品質誤認惹起行為該当性の判断に際し、表示の文言だけでなく、需要者である医療関係者の理解と、製品を正しい手順で用いた場合の実際の臨床結果との対応関係を精査した事例として、実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。