損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 指定暴力団五代目E會の構成員Cが、建設業者の会長である被害者を銃撃して死亡させた事件(平成23年11月26日)に関し、被害者の子である被控訴人らが、E會の総裁である控訴人A及び会長である控訴人Bに対し、民法715条又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)31条の2に基づき、慰謝料等各3600万円及び遅延損害金の連帯支払を求めた事案の控訴審である。被害者は建設業界の幹部として暴力団排除運動に取り組んでおり、本件犯行はその報復及び建設業界における利権確保のための見せしめとしてなされたものである。原審は各1650万円を認容し、双方が不服を申し立てた。 【争点】 ①本件犯行が威力利用資金獲得行為に該当するか、②控訴人A(総裁)が暴対法31条の2の「代表者等」に該当するか、③慰謝料額の相当性、④消滅時効の成否(被控訴人らが平成29年2月9日又は同年3月31日に損害及び加害者を知ったか)、⑤本件債権譲渡が訴訟信託に該当し無効か。 【判旨】 控訴棄却、附帯控訴に基づき原判決変更(各1925万円に増額)。①について、被害者は平成23年頃まで建設業界側のみかじめ料支払窓口であった一方、同年頃から暴力団への利益供与を断るよう呼び掛けており、本件犯行はE會が利権を得続けるためのものと認定した。②について、総裁は名誉職にすぎないとの控訴人Aの主張を退け、総裁就任後も自宅を「本家」と呼ばれ、24時間態勢で身の回りの世話を受け、毎朝幹部組員の訪問を受けていた事情から、実質的な首領に該当すると判断した。③慰謝料は、残忍な犯行態様、被害者の無念さ、暴力団排除に取り組む中での射殺という社会的影響等を考慮し3500万円(原審3000万円から増額)、弁護士費用350万円とした。④消滅時効については、報道に被控訴人らが接していた証拠はなく、仮に接していても一方的な報道内容から威力利用資金獲得行為該当性を認識したとはいえないとして否定した。⑤債権譲渡についても訴訟信託には当たらないとした。