AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社サンセイアールアンドディ)は、発明の名称を「遊技機」とする特許出願(特願2020-199726号)について拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求するとともに手続補正(本件補正)を行ったが、特許庁は本件補正を却下し審判請求不成立の審決をした。本件は、同審決の取消しを求める訴訟である。本願発明は、遊技機の操作要求演出において、操作手段が実際に操作されなくても演出に反映される自動操作機能(オートボタン機能)を備え、一部の演出のみ自動操作の対象とする「一部自動操作モード」を設定し、当否抽選結果を報知する重要な演出は自動操作の対象外とすることで遊技の趣向性を向上させるものである。 【争点】 (1) 本件補正の目的認定(特許請求の範囲の減縮に当たるか)の当否、(2) 本願補正発明の独立特許要件(進歩性)の判断の当否、(3) 本願発明の新規性・進歩性の判断の当否、(4) 引用発明1に基づく拒絶理由通知を欠いた手続違背の有無。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。争点(1)につき、本件補正は当否報知演出を第二操作要求演出に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするとした審決の判断に誤りはないとした。争点(2)につき、引用文献1には「一部オート」設定及び「激熱演出時のみ非オート」とする記載事項があり、引用発明1のSPリーチ演出は大当たり期待度の高い「激熱演出」に含まれるから、これを非オートとして当否結果報知に至る構成とすることは当業者にとって容易想到であるとした。争点(3)につき、遊技機の演出がいずれも当否抽選結果に応じた結末に至ることは技術常識であるから、引用発明2の「激熱演出」は本願発明の構成と実質的に相違しないとして新規性を否定し、仮に相違があっても容易想到であるとした。争点(4)につき、独立特許要件違反を理由とする補正却下には拒絶理由通知は不要であり、引用発明1と引用発明2は同一引用文献に基づくものであるから不意打ちには当たらないとした。