AI概要
【事案の概要】 原告は、企業から委託を受けて求職者等のインターネット上の情報を収集・解析して報告するサービス「ネットの履歴書」を運営する株式会社である。原告は被告会社との間で同サービスの販売代理店契約(本件契約)を締結し、提案書や報告書サンプル等の機密資料を提供した。ところが被告会社は、本件契約締結の約2か月後に第三者(企業情報センター)とOEM契約を締結し、本件事業と類似する採用リスク調査サービス「レキシル」事業を開始した。原告は、被告会社に対し競業避止義務違反等に基づく差止め及び770万円の損害賠償を、被告会社代表取締役である被告Aに対し会社法429条1項に基づく660万円の損害賠償を求めた。 【争点】 (1)被告会社の競業避止義務違反・機密保持義務違反・営業手法利用禁止義務違反の成否、(2)品質誤認表示(不競法2条1項20号)の成否、(3)被告Aの任務懈怠責任の成否、(4)被告会社による本件契約の解除の成否、(5)差止請求権の成否、(6)損害額 【判旨】 一部認容。裁判所は、レキシル事業は本件事業と同種・類似のサービスであり、被告会社は代理商としての競業避止義務(会社法17条1項1号)及び本件契約上の競業避止義務に違反すると認定した。また、原告から提供された機密資料の文言がレキシル提案書に流用されていることから、機密保持義務違反も認めた。他方、営業手法利用禁止義務違反は営業活動一般に共通する手法であるとして否定し、品質誤認表示も基礎サービスの実績記載として許容されるとして否定した。本件契約の解除については、令和3年11月通知書による解約申入れから90日経過後の令和4年2月24日に終了したと認定し、契約終了を理由に差止請求を棄却した。損害額は、レキシル事業の売上698万0600円から経費529万9425円を控除した限界利益168万1175円に弁護士費用16万8117円を加えた184万9292円とし、被告らに連帯支払を命じた。