特許権侵害損害賠償請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 台湾法人である原告(智佳電子股份有限公司)が、ワイヤレススカッフプレートに関する特許権(本件特許権)を有するとして、自動車内装品の製造販売を業とする被告(林テレンプ株式会社)に対し、被告が販売する製品(被告製品1ないし4)の販売行為が本件特許権の侵害を構成するとして、民法709条に基づき損害賠償金6000万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。本件特許は、底板にバックライトモジュール、電源モジュール、近接センサーモジュール、制御モジュール等を備え、センサーの感応信号に従ってバックライトのオンオフの時間間隔を調整可能に制御するワイヤレススカッフプレートに関するものである。 【争点】 (1) 被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(争点1):①「電源収容孔」(構成要件B・D・G)の充足性、②「オンとオフ状態の時間間隔を調整可能に開閉」(構成要件F)の充足性 (2) 本件特許の無効理由の有無(争点2):乙8発明・乙10発明を主引例とする進歩性欠如、明確性要件違反、実施可能要件違反、サポート要件違反 (3) 特許法102条3項に基づく損害額(争点3) 【判旨】 請求棄却。裁判所は、構成要件Bの「電源収容孔」については、被告各製品の電源収容孔14は大径部分と小径部分からなる貫通穴であり、底板の凹槽の一側に設けられ、電池が設置され、底カバーにより取り外し可能な方式で覆われているから、構成要件B・D・Gを充足すると判断した。しかし、構成要件Fの「オンとオフ状態の時間間隔を調整可能に開閉」について、「調整可能」とは発光持続時間を正確に調整できることを意味すると解釈した上で、被告各製品の発光持続時間はコンデンサの性能や劣化の程度に左右され、正確に調整できるものではないとして、構成要件Fの充足を否定した。また、念のため判断された争点2-1(乙8発明を主引例とする進歩性欠如)については、乙8発明の構成は課題解決に直結しており変更の動機付けがなく、相違点に係る構成とするには複数回の変更が必要であるとして、進歩性欠如の主張を退けた。