商標権侵害差止等請求控訴、同附帯控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、「RobotShop」の商標権を有するヴイストン株式会社(一審原告)が、ロボショップ株式会社(一審被告)に対し、一審被告がウェブサイトにおいて被告標章「RobotShop」を付してロボット関連商品の広告を提供する行為が商標権侵害に当たるとして、商標法36条1項に基づく差止め、民法709条に基づく損害賠償(合計約1億3814万円)及び不当利得返還を求めた事案の控訴審である。原審(大阪地裁)は差止請求の一部及び損害賠償約1243万円等を認容し、双方が控訴・附帯控訴した。 【争点】 ①被告商品(モータ・センサ・3Dプリンタ等)が本件商標の指定商品に該当・類似するか、②本件商標と被告標章の類似性、③禁反言の原則により商標権の効力が及ばないか、④商標法26条1項2号該当性、⑤損害額(推定覆滅割合)、⑥権利濫用の成否。 【判旨】 大阪高裁は、被告商品のうちモータ・アクチュエータ等は指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に、3Dプリンタ等は「コンピュータ周辺機器」に少なくとも類似すると認定した。一審被告が3Dプリンタやドローン等について商標登録を受けている点については、その登録は役務を指定するものであり商品の類似性判断に影響しないとした。禁反言の主張も、ロボット部品には様々なものがあり出願経過からも信義則違反とはいえないとして排斥した。損害額については、本件商標「RobotShop」が「ロボットの店」と理解され得る一般的語であり自他商品識別力が強いとはいえないこと等から、推定覆滅割合を90%と認定し、限界利益約1億1306万円の10%である約1130万円を損害額とした。不当利得については使用料率2%で約250万円を認容した。弁護士費用約113万円を加え、合計約1494万円及び遅延損害金の支払を命じ、原判決を一部変更した。権利濫用の主張は、指定商品からロボットを除外して登録を受けた経緯が「だまし討ち」とはいえないとして退けた。