特許権侵害排除等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(キョーワ株式会社)は、「親綱支柱用治具」に関する特許権(特許第6843385号)の特許権者であり、被告会社(大嘉産業株式会社)が製造販売する「ディンプルポスト用小梁用プレート100/125」が本件特許の技術的範囲に属するとして、特許法100条に基づく差止め・廃棄及び民法709条等に基づく損害賠償550万円を求めた(本訴)。一方、被告会社は、原告がInstagramにおいて被告製品が特許権を侵害する旨の投稿を行ったことが不正競争防止法2条1項21号の信用毀損行為に該当するとして、差止め及び損害賠償550万円を求めた(反訴)。 【争点】 (1)被告製品が本件発明の構成要件C(矩形状の板の端部でU字状に折り曲げられた折り曲げ部)及び構成要件E(矩形状の板の長さがフランジ幅より長いこと)を充足するか(文言侵害)、(2)均等侵害の成否、(3)原告のInstagram投稿が不競法2条1項21号の不正競争行為に該当するか。 【判旨】 裁判所は、本訴請求をいずれも棄却し、反訴請求を一部認容した。文言侵害について、被告製品のフック部は側板の端部と連続するものであり、本件発明の「矩形状の板」に相当する長方形の底板の端部とは連続していないから、構成要件Cを充足しないと判断した。また、被告製品の底板の端部間の長さは100mmであり、取付対象の形鋼のフランジ幅(100mm又は125mm)より長いとはいえないから、構成要件Eも充足しないとした。均等侵害については、従来技術(乙17発明)との比較から本件発明の貢献度は大きくなく、本質的部分は特許請求の範囲に近接したものと認定すべきであり、被告製品は本質的部分において異なるとして第1要件を否定した。反訴については、原告のInstagram投稿は被告製品の販売が特許権侵害であるとの虚偽の事実を流布する行為に該当し、原告には少なくとも過失があるとして、差止め及び損害賠償55万円(無形損害50万円、弁護士等費用5万円)を認容した。