道路交通法違反、危険運転致死傷、犯人隠避教唆
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人(当時19歳)は、令和5年5月14日午前5時59分頃、酒気帯び状態で普通乗用自動車を運転中、パトカーを見かけて逃走しようと加速した。名古屋市東区内の制限速度時速40キロメートルの左カーブにおいて、降雨で路面が湿潤していたにもかかわらず、時速約106ないし111キロメートルという制御困難な高速度で走行した結果、カーブを曲がりきれず路外の橋の欄干に衝突した。この事故により、同乗者A(当時19歳)が外傷性くも膜下出血等により死亡し、同乗者C(当時19歳)が下顎骨骨折等の傷害(全治約31日間)を、同乗者D(当時19歳)が頭蓋底骨折・びまん性軸索損傷等の傷害(入院加療約2か月間)をそれぞれ負った。さらに被告人は、事故直後に同乗者Eに身代わり犯人となることを依頼し、ドライブレコーダーのSDカードを抜き取って投棄するなどの証拠隠滅行為にも及んだ。罪名は酒気帯び運転、危険運転致死傷、犯人隠避教唆である。 【判旨(量刑)】 裁判所は、制限速度を約70キロメートル超過する甚だしい速度超過であること、初めて通る見通しの悪い道路での高速走行は危険性が極めて高いこと、同乗者らの制止を無視して「まだまだ行くぜ。」と述べて暴走を続けたことを重視した。結果として19歳の若者1名が死亡し、1名に高次脳機能障害等の重篤な後遺症が残るなど結果は重大である。また、飲酒運転の常習性、身代わり依頼やSDカード投棄による証拠隠滅など自己保身に走った行動も厳しく非難した。被害者らが飲酒運転を知りつつ乗車定員超過・シートベルト不着用であった点を考慮しても、高速度の危険運転により同乗者に死傷の結果を生じさせた類型の中でも重い部類に属すると判断し、求刑懲役10年に対し懲役9年を言い渡した。