損害賠償請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和5(ワ)2681
- 事件名
- 損害賠償請求本訴事件、損害賠償請求反訴事件
- 裁判所
- 大阪地方裁判所
- 裁判年月日
- 2024年10月31日
- 裁判官
- 島田美喜子
AI概要
【事案の概要】 自動車部品等の卸・小売販売を営む原告会社が、元従業員である被告P2に対し、在職中に原告の営業秘密を不正に取得して競業会社(被告会社)に提供し、被告会社の業務を行っていたとして、被告P2の債務不履行及び被告ら(被告会社・被告P1・被告P2)の共同不法行為に基づき、連帯して約1億7581万円の損害賠償を求めた(本訴)。被告P2は、原告在職中に社内情報をUSBメモリーに複製し、ECサイト運営資料を被告P1(被告P2の妻で被告会社代表取締役)に送信していた。被告会社は、原告による仮差押命令申立てが違法であるとして約1661万円の損害賠償を求めた(反訴)。 【争点】 (1) 被告P2に労務提供義務・職務専念義務・秘密保持義務・競業避止義務の各違反があったか、(2) 被告会社及び被告P1について債権侵害の共同不法行為が成立するか、(3) 被告らの共同不法行為が成立するか、(4) 原告の損害額、(5) 原告の仮差押命令申立てが違法か。 【判旨】 裁判所は、本訴請求・反訴請求をいずれも棄却した。まず、退職後の競業避止条項について、場所的制限がなく退職後5年間という長期間の競業禁止を課し、代替措置もないことから公序良俗に反し無効と判断した。被告P2が複製した情報は公知情報または公知情報から容易に製作できるデータであり、ECサイト運営資料も出品者に一律提供されるものであるから、秘密保持義務違反は認められないとした。他方、被告P2が就業時間中に被告P1らと被告会社の商品取扱いに関する指示・助言等を行っていた点は、職務専念義務及び在職中の競業避止義務に違反すると認定した。しかし、当該債務不履行と相当因果関係のある損害の発生について的確な主張立証がなく、民訴法248条の適用も認められないとして、損害賠償請求を棄却した。反訴についても、仮差押命令申立ては被告P2の行為が端緒であり、原告に過失があったとはいえないとして棄却した。