AI概要
【事案の概要】 被告人は、個人で内装業を営み、共犯者Aを介して被害者C(当時43歳)の孫請けとして仕事を請け負っていた。被告人は、共犯者から報酬の支払遅れや減額が被害者のせいであると聞かされ、被害者への不信感や不満を募らせていた。共犯者から、被害者を殺害して放火し、未払報酬名目で約300万円の架空請求を行う計画を持ち掛けられ、100万円程度の分け前目当てに犯行に加担した。令和4年5月14日、埼玉県朝霞市の事務所兼作業場において、共犯者が被害者に話しかけて隙を作り、被告人が背後からバール(長さ約74.7cm、重量約1.15kg)で被害者の首付近を3回殴打して気絶させ、さらに共犯者が頭部を複数回殴打した上、同所に放火し、出入口に施錠して立ち去った。被害者は急性一酸化炭素中毒及び火傷の競合により死亡した(殺人・現住建造物等放火)。さらに同年6月、架空の人工代約283万8000円を被害者の会社に請求したが、支払を拒絶され未遂に終わった(詐欺未遂)。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件犯行について以下の点を重視した。①犯行は事前に具体的な流れが共有された計画的なものであり、弁護人の「計画性が相当低い」との主張は排斥された。犯行前日のLINEメッセージで「例のやつやっちゃいましょー」等のやり取りがあり、被告人も「流れ了解しました」と応じていた。②無防備な被害者の背後からバールで殴打し、放火して焼死させるという危険かつ残忍な犯行態様である。③動機は利欲的であり、話合い等の穏当な手段を試みることなく短絡的に犯行に及んでおり、酌量すべき点は全くない。④犯行後も着替え、LINE削除、口裏合わせ、凶器の靴の処分など罪証隠滅工作を行っており悪質である。⑤共犯者が首謀・主導したものの、被告人は凶器のバールを選定・持込み、最初の殴打で被害者を気絶させる不可欠で重要な役割を果たした。他方、前科がないこと、公訴事実を認めて反省の弁を述べていること、叔母が更生に協力する旨述べていることを考慮し、求刑懲役24年に対し、被告人を懲役23年に処した。