危険運転致死、道路交通法違反
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、令和5年11月28日、友人と飲食店2軒でビール中ジョッキ7杯及び梅酒ソーダ割等を飲酒した後、午後11時4分頃から普通貨物自動車を運転して帰宅しようとした。運転中、複数の交差点で信号停車後に青信号になっても発進できない「寝落ち」を繰り返し、赤信号を看過してそのまま交差点を通過するなどしていたが、運転を継続した。午後11時31分頃、名古屋市内の交差点において、赤信号を認識できない状態で時速約60キロメートルで進入し、青信号に従い横断歩道を横断中の被害者(当時20歳・大学生)に衝突して死亡させた。被告人は事故後も停止せず逃走し、警察への報告義務も怠った。 【争点】 アルコールの影響により正常な運転が困難な状態であったか(自動車運転処罰法2条1号の危険運転致死罪の成否)及びその故意の有無。弁護人は、被告人は事故直前の交差点まで概ね信号に従い運転できており、その後急激に仮睡状態に陥ったもので、同法3条1項の危険運転致死罪にとどまると主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、ドライブレコーダー映像等の証拠から、被告人が複数の交差点で繰り返し寝落ちし、赤信号を看過して交差点を通過し、車線を大きくはみ出すなどの運転状況を詳細に認定した。遅くとも午後11時26分頃のc交差点発進時点で、強い眠気に抗えずいつ寝落ちしてもおかしくない状態となり、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態に至っていたと認定。呼気アルコール濃度は少なくとも約0.258mg/Lであり、睡眠不足や疲労の影響も考慮しても、飲酒が眠気に相当程度強く影響したことは明らかとした。故意についても、自身の飲酒量・睡眠状況・度重なる寝落ちを認識していた以上、正常な運転が困難な状態の認識があったと認定した。量刑については、飲酒運転の危険性を軽視した身勝手な判断、寝落ちを繰り返しても運転を継続した非難性、事故後の逃走や証拠隠滅行動を指摘し、求刑懲役13年に対し、懲役9年を言い渡した。