入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は宮崎県日南市の副市長として、指名競争入札参加者資格等審査委員会等の委員長を務めていた。被告人は、①平成30年1月、建設業協会会長である丙に対し、災害復旧工事2件の予定価格に近似する概ねの査定決定額を教示し(官製談合防止法違反)、②令和元年11月、別の災害復旧工事について概ねの査定決定額及び工法を教示し(官製談合防止法違反・公契約関係競売入札妨害)、③丙と共謀し、談合に参加しない業者を指名競争入札から排除して特定業者に落札させた(官製談合防止法違反・公契約関係競売入札妨害)。原審で有罪判決を受け、被告人が控訴した。 【争点】 (1) 日南市では予定価格が事前に通知・公表されるため、査定決定額や工法は官製談合防止法8条の「入札等に関する秘密」に該当しないのではないか。 (2) 被告人に各罪の故意が認められるか。入札や談合との関係を意識せず、情報が秘密であるとの認識もなかったとの主張の当否。 (3) 談合に参加しない業者を排除するために年度受注額1000万円以上の業者を指名から外す基準を設けた行為が、行政裁量の範囲内として正当化されるか。 【判旨(量刑)】 控訴棄却。原判決の有罪認定を全面的に維持した。争点(1)について、官製談合防止法8条の「秘密」は情報公開法上の不開示情報に限定して解釈すべきではなく、入札の公正を害する具体的危険を生じさせる秘密情報を指すとし、公表前の査定決定額や工法はこれに該当すると判断した。丙が実際にこれらの情報を用いて談合をまとめた事実も認定した。争点(2)について、被告人が公表前に特定業者に情報を意識的に教示している以上、故意に欠けるところはなく、当時から協会が談合しているかもしれないと認識していた以上、秘密性の認識もあったと認定した。争点(3)について、1000万円ルールは談合に参加しない業者を排除する目的で丙の要望に応じて導入されたものであり、目的の正当性も内容の合理性も認められず、行政裁量で正当化される余地はないと判断した。