AI概要
【事案の概要】 被告人は、令和6年2月から交際相手およびその子であるA(当時2歳)と同居していたが、同年3月18日午後6時頃、自宅において、Aが言いつけを守らず台所で料理中の母親の足下に座り、注意するとにらみつけるような態度をとったことに怒りを募らせた。被告人は、抱きかかえたAが泣いて暴れたため、おとなしくさせようとして、Aの両足を左腕で抱え込み、後頭部付近を右腕で抱えてその顔面を右上腕部付近に密着させるなどの暴行を加えた。その結果、同日午後8時17分頃、Aは鼻口部閉塞による窒息により病院で死亡した。なお、被告人は同居開始後間もなくからAに対する暴力を振るうようになり、遅くとも同年3月初旬には日常的な虐待が行われていた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、わずか2歳の小柄な被害者を両腕で抱え込み、泣き声がくぐもっていることを認識しながら呼吸できないほどの力で顔面を密着させ、完全に暴れなくなった後もしばらくその体勢を続けた暴行態様は非常に危険かつ執拗であると評価した。また、2歳児として当然の行動に怒りを募らせて日常的な暴力の延長として本件犯行に及んでおり、犯意は偶発的・一時的とはいえないとした。被告人が精神的に追い詰められていた旨の供述についても、交際開始後ほどない時期に同居を持ち掛けた見通しの甘さに起因する面があり、被害者への暴力がやむを得なかった事情とみる余地はないと判断した。量刑傾向の中で中程度からやや重い部類に属する事案であるとし、犯行後に自ら被害者を病院に連れて行ったこと、公判で傷害致死罪の成立を争わず日常的虐待の事実も認めたこと、父親が社会復帰後の監督を申し出ていること等の一般情状を考慮しても、犯情の重さに照らし、求刑どおり懲役7年を言い渡した。