住居侵入、強盗致死、強盗予備、窃盗未遂、強盗傷人
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、SNSを利用して強盗の実行役を募集する指示役らの下、匿名性の高い犯罪集団の一員として、約1か月の間に広域にわたる連続強盗等に関与した。広島事件(令和4年12月)では、時計販売買取専門店の店舗兼居宅に宅配業者を装って6人で押し入り、被害者3名に暴行を加え、現金約250万円及び腕時計等約137点(時価合計約2439万円)を強取し、被害者1名に瀕死の重傷(脳挫傷等による高次脳機能障害の後遺症)を負わせた。狛江事件(令和5年1月)では、90歳の被害者宅に4名で押し入り、結束バンドで緊縛した上、バールで多数回殴打するなどの暴行を加えて腕時計等を強取し、被害者を外傷性ショックにより死亡させた。足立事件(同月翌日)では、同様の手口で強盗を企て、被害者宅付近で犯行の機会をうかがい(強盗予備)、不在と判明後はバールで窓を破って侵入し物色した(窃盗未遂)。 【争点】 足立事件において、弁護人は被告人がインターホンを押していないと主張したが、共犯者2名がインターホンの音を聞いたと明確に証言していること等から、被告人の供述は信用できないと判断された。また、弁護人は狛江事件について被告人が指示役に脅されて参加せざるを得なかったと主張したが、被告人が利益獲得のために主体的・積極的に行動していた事実から退けられた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件各犯行が通信アプリを通じて形成・統制された犯罪集団による徹底した役割分担の下で行われた、過去に類を見ない特徴的な手口による極めて危険で凶悪な連続強盗等であるとし、従前の量刑傾向がそのまま当てはまるものではなく、無期懲役刑を端的に検討すべき事案と位置づけた。被告人は、重大な結果が生じ得ることを十分認識しながら主体的・積極的に参加し、共犯者を利用して自己の利益を増やそうとしていたことから、犯情は非常に悪く、実行役リーダーに次ぐ重大な責任があるとした。前科がないこと、反省の言葉を述べていること等の有利な事情を最大限考慮しても酌量減軽すべき事由は見いだせないとして、被告人を無期懲役に処した(求刑どおり)。