都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3140 件の口コミ
下級裁

業務上過失致死傷被告事件

判決データ

事件番号
令和5(う)68
事件名
業務上過失致死傷被告事件
裁判所
仙台高等裁判所
裁判年月日
2024年12月16日

AI概要

【事案の概要】 令和2年9月、福島県猪苗代湖の中田浜湾内において、被告人が船長として操船するプレジャーモーターボート(全長約10.77m)が、ザップボードの順番待ちのためライフジャケットを着用して湖上に浮かんでいた児童(当時8歳)、その母親(当時35歳)及び別の児童(当時8歳)に衝突し、8歳児童1名を死亡させ、残る2名に傷害を負わせた業務上過失致死傷の事案である。原審(福島地方裁判所)は被告人に禁錮2年の実刑を言い渡したが、被告人側が事実誤認及び量刑不当を主張して控訴した。 【争点】 被告人に針路前方左右の見張りを怠った過失(注視義務違反)が認められるか、具体的には、(1)被害者らの視認可能性(A船の操縦席から被害者らを人又は確認を要する浮遊物として認識できたか)、(2)結果回避可能性(見張りを適切に行っていれば被害者らを発見し衝突を回避できたか)が争われた。 【判旨】 仙台高裁は原判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した。まず、予見可能性については、中田浜湾内で水上バイクやトーイングボートが航行しており、湖上に人が浮かんでいる可能性をおよそ想定できない水域とはいえないとして、原判決の判断に誤りはないとした。しかし、結果回避可能性については、以下の理由から過失を認めることはできないとした。第一に、原判決が依拠した実況見分は、マネキンの比重の関係で人間より水面上の露出部分が大きく、着衣の色も異なり、被告人がマネキンの存在を事前に把握した上で特定方向を凝視する方法で行われたものであり、約223mの距離で被害者らを視認可能と認めることはできない。第二に、GPS記録付き写真の分析から、A船は原判決が認定した緩やかなカーブではなく、停泊地点から衝突地点方向へ大きく舵を切ることなく直進した可能性が否定できず、被害者らが早期に船首方の死角に入った可能性がある。第三に、プレジャーボートは増速過程で船首が持ち上がり、正船首方向で約190m、左舷約4.6度方向で約480m手前が死角となるところ、停泊状態を脱してからわずか数秒で被害者らが死角に入った可能性が否定できない。第四に、事故現場は遊泳禁止区域であり、救助を求める動作も周囲に水上バイク等の目印もなく人が滞留している状況の想定は困難であるため、操船者に一点凝視を求めることはできない。以上を総合し、被告人が通常求められる見張りを行っていたとしても被害者らを発見できなかった具体的可能性を否定できず、過失の証明がないとして無罪とした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。