AI概要
【事案の概要】 地方公共団体である原告が、被告会社との間でふるさと納税の返礼品(さがびより、シャインマスカット、佐賀産和牛等)の発注・発送等に関する業務委託契約(令和2年契約・令和3年契約)を締結したところ、被告が返礼品の調達・発送を大量に履行しなかったため、令和2年契約について債務不履行に基づく損害賠償として未履行分の委託料相当額3766万2240円を、令和3年契約について契約解除に伴う違約金41万6563円をそれぞれ請求した事案である。 【争点】 ①令和2年契約における解除権の発生の有無、②被告に帰責性がないといえるか、③令和2年契約に係る損害額、④前払費用返還請求の成否(予備的請求)、⑤令和3年契約に係る違約金の発生及びその額。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をほぼ全額認容した。争点①につき、原告が被告に交付した配送体制整備を求める書面は民法541条の催告に該当し、被告自身が確約書で定めた配送期限(令和3年8月末)の経過をもって相当期間が経過したとして解除権の発生を認めた。仮に催告が認められなくとも、市長記者会見や寄付者への謝罪が必要となった経緯等から、確約期限までに配送できなければ契約目的を達成できないとして、民法542条1項4号(定期行為の履行遅滞)による解除権も認定した。争点②につき、返礼品提供事業者の調達失敗は受託者である被告が責めを負うべきであり、被告が原告に受入れ可能な具体的な調達先変更提案をした証拠も不十分として、帰責性を肯定した。争点③につき、返礼品調達・発送が最も重要な業務であること、代替調達には法令上の費用上限を大幅に超過する過分の費用を要したこと等から、未履行部分の委託料全額3766万2240円を損害と認定した。争点⑤につき、令和2年契約の履行状況等に照らし令和3年契約の履行見込みもなかったとして契約解除を有効と認め、違約金41万6562円の支払を命じた。