詐欺、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反
判決データ
- 事件番号
- 令和5(わ)390
- 事件名
- 詐欺、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反
- 裁判所
- 岐阜地方裁判所
- 裁判年月日
- 2024年12月26日
AI概要
【事案の概要】 被告人は、令和5年9月にタイ王国の詐欺グループ拠点において、銀行協会職員等になりすまして日本国内の被害者らに電話をかける「かけ子」の役割を担い、2件の特殊詐欺に関与した事案である。第1の犯行では、岐阜県在住の高齢女性(当時72歳)に対し、キャッシュカードが不正利用されている可能性があるとうそを言い、キャッシュカード1枚及び通帳1通をレターパックで送付させてだまし取った。第2の犯行では、別の被害者(当時45歳)に対し、口座から不正出金される可能性があるとうそを言い、指定口座に現金約30万円を振り込ませた。併せて、第三者名義の口座や送付先を利用して犯罪収益の取得につき事実を仮装したとして、組織的犯罪処罰法違反にも問われた。 【争点】 弁護人は、被告人はタイで外国人男性らに家族の写真を見せられて脅され、指示に従ったに過ぎないから、詐欺の共謀は認められず、仮に意思連絡があったとしても幇助犯にとどまると主張した。 【判旨(量刑:懲役3年)】 裁判所は、被告人が詐欺であることを認識した上で共犯者らと協力して犯行を行う意思を相互に通じ合っていたことは明らかであり、被害者にうそを言ってだます「かけ子」という詐欺の核心的役割を果たしていた点を重視し、共同正犯の成立を認めた。脅迫の主張についても、拠点から自由に外出でき自身の携帯電話も使用可能であったこと、一時帰国の際に航空券の用意を受けて単身帰国し日割給料まで請求していたこと、帰国中に警察へ保護を求めることも可能であったことなどから、意思を抑圧されるほどの状況にはなかったと判断した。量刑においては、海外拠点を用いた組織的かつ巧妙な特殊詐欺であり、日本語を話せる人員として不可欠な役割を果たした点を重視しつつ、首謀者は別にいること、被害弁償の申出を行っていること等を考慮し、求刑懲役4年に対して懲役3年を言い渡した。