AI概要
【事案の概要】 本件は、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」を提供していた原告(株式会社LegalOn Technologies、旧商号:株式会社LegalForce)が、米国で「LegalForce」の名称を用いて法律業務を行う被告(LegalForce RAPC Worldwide, Professional Corporation)に対し、(1)商標権侵害に基づく被告標章の使用差止め・ウェブサイト削除、(2)不正競争防止法に基づく被告表示の使用差止め・抹消、(3)ドメイン名「legalforce.jp」の保有・使用の差止め、(4)損害賠償合計2000万円、及び(5)被告が米国で提起した訴訟(損害賠償1億米ドル請求)が不法行為に当たるとして損害賠償を求めた事案である。 【争点】 主な争点は、(1)日本の裁判所に国際裁判管轄が認められるか(民訴法3条の3第4号・第5号・第8号、3条の6)、(2)被告のドメイン名「legalforce.jp」の保有・使用が不正競争防止法2条1項19号の不正競争に該当するか(「不正の利益を得る目的」又は「他人に損害を加える目的」の有無)である。 【判旨】 裁判所は、大部分の請求について日本の国際裁判管轄を否定し、訴えを却下した。商標権侵害・不正競争に基づく請求(請求1〜4、6の1・6の2)については、被告ウェブサイトが全て英語で記載され、米ドルでの価格表示のみで、日本語の記載や日本の連絡先もなく、日本の需要者を対象としたものとはいえないとして、原告の権利利益が日本国内で侵害されたとの客観的事実関係は証明されていないと判断した。米国訴訟の提起に係る請求(請求7)についても、被告は「LegalForce」の米国商標権を有しており、原告の海外進出発表を受けて提訴したものであって、訴状が二度却下されたとしても、提訴時点で法的根拠を欠くことが明らかであったとはいえず、著しく相当性を欠くとはいえないとした。ドメイン名に関する請求(請求5・6の3)については日本の管轄を認めたものの、本案では、被告が原告よりも先に「LegalForce」の名称で米国において法律業務を行い、原告の商号使用開始前からドメインを保有していたこと、リダイレクト先は被告の商標登録出願業務に関するサイトであり被告の業務と関連性を有することから、被告には不正の利益を得る目的も他人に損害を加える目的もないとして、請求を棄却した。結論として、原告の請求は全て却下又は棄却された。