AI概要
【事案の概要】 原告(ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ)は、「独立バッフルを有する多分岐熱交換器」に関する特許出願について拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は審判請求不成立の審決をした。本件は、原告が当該審決の取消しを求めた審決取消訴訟である。本件補正発明は、複数の単位セルからなるコアを備えた熱交換器において、第1の流体と第2の流体の流れを独立に経路指定するバッフル(固体壁)を単位セルとは別個の壁として設けることを特徴とするものである。審決は、本件補正発明は引用発明1(分岐流路を形成する単位セルを含む熱交換器)及び引用発明2(バッフルセルを含む3次元格子構造の熱交換器)に基づき当業者が容易に発明できたとして、進歩性を否定した。 【争点】 主な争点は、(1)本件補正発明の「バッフル」に相当する引用発明2の構成の認定の当否(取消事由1)、及び(2)引用発明1と引用発明2の組合せの容易想到性(取消事由2)である。原告は、本件補正発明のバッフルに相当するのはバッフルセル250ではなく分岐経路ブラインドであり、仮にバッフルセル250だとしても「固体壁」や「単位セルとは別個の壁」には当たらないと主張した。また、両引用発明には課題・機能の共通性がなく組合せの動機付けがないとも主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。取消事由1について、裁判所は、引用発明2のバッフルセル250が流体の流れを邪魔しその方向を変更する構成であり、本件補正発明の「バッフル」に相当するとの審決の認定に誤りはないとした。バッフルセル250はソリッドドメインを有し流路をブロックする機能を果たすから「固体壁」に当たり、また「別個の壁」とは物理的分離ではなく機能的に異なることを意味すると解すべきであるところ、バッフルセル250は経路セルとは機能が明らかに異なるから「別個の壁」に当たるとした。取消事由2について、両引用発明は同一の技術分野に属し単位セルを用いた分岐流路構成で共通するため組合せの動機付けがあり、バッフルセルの配置は格子構造を変更せずカスタマイズ可能であるから阻害要因もなく、予測できない顕著な効果も認められないとして、進歩性を否定した審決の判断を支持した。