AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社サンセイアールアンドディ)は、「遊技機」に関する特許出願(特願2019-10788号)について拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は審判請求不成立の審決をした。本願発明は、パチンコ等の遊技機において、表示領域の基準画像がずれたように表示される「画像変位演出」の際に振動装置による振動を発生させ、振動が発生する「特別態様」の方が振動なしの「通常態様」よりも大当たりの蓋然性が高くなるようにした構成を特徴とする。原告は、審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 (1) 審判における拒絶理由通知欠缺の手続違背の有無(本件拒絶理由通知にない事項が審決に追加され不意打ちとなったか) (2) 進歩性についての認定・判断の誤りの有無(引用発明と甲2技術事項からの容易想到性の判断に誤りがあるか) 【判旨】 請求棄却。裁判所は、以下のとおり原告の主張をいずれも退けた。 手続違背の点について、本件拒絶理由通知は相違点に係る構成との関係で甲2技術事項を検討しており、審決の認定は拒絶理由通知と同趣旨であって不意打ちには当たらないと判断した。動機付けについても拒絶理由通知中に引用発明と甲2技術事項の構成・作用・効果の共通性が示されており、周知技術との組合せに関する記載は傍論にすぎないとした。 進歩性の点について、引用発明の「第一演出態様」と「第二演出態様」は本願発明の「特別態様」と「通常態様」に相当し、一致点・相違点の認定に誤りはないとした。また、引用発明と甲2技術事項は基準画像と異なる見え方の画像を表示する点で共通し、振動を含む演出の適用に動機付けがあるとした。タイミングの相違についても阻害要因とはいえないと判断し、本願発明は引用発明及び甲2技術事項から当業者が容易に発明できたものであるとして、審決に違法はないと結論づけた。