逮捕監禁、強盗傷人、脅迫、生命身体加害略取、逮捕監禁致死、殺人、殺人未遂被告事件
判決データ
- 事件番号
- 令和3(わ)2157
- 事件名
- 逮捕監禁、強盗傷人、脅迫、生命身体加害略取、逮捕監禁致死、殺人、殺人未遂被告事件
- 裁判所
- 千葉地方裁判所 刑事第1部
- 裁判年月日
- 2025年1月24日
- 裁判官
- 新井紅亜礼
AI概要
【事案の概要】 被告人は、暴力団組員として、以下の複数の事件で起訴された。(1)平成25年7月、神奈川県逗子市の海水浴場付近の地下道で、面識のない被害者Cと些細な口論から喧嘩になり、逃げる同人を追いかけて刃物で胸部等を複数回突き刺し殺害した(殺人)。同時に、同じ地下道内でFに対する殺人未遂も起訴された。(2)平成26年3月、同じ暴力団組織の上位者Eを、金属バットで殴打して拉致・監禁し死亡させた(生命身体加害略取・逮捕監禁致死)。(3)令和2年4月、被害者Mを金属バットで殴打して拉致・監禁し、現金約104万円相当を強奪するとともに全治約2週間の傷害を負わせた(逮捕監禁・強盗傷人)。(4)令和3年8月、路上で被害者Aに「ぶっ殺すぞ」と脅迫した(脅迫)。 【争点】 主な争点は、(1)逗子事件(C事件・F事件)における犯人性、(2)E事件における被告人の共同正犯の成否であった。C事件について被告人は関与を否認し、弁護人は第三者による犯行の可能性を主張した。F事件について検察官は、被告人が意図的にFを刺したと主張した。E事件について被告人は幇助犯にとどまると主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、C事件について、血痕の付着状況や被害者の傷害結果等の客観的証拠と、目撃者であるF・R・Sの供述の信用できる部分を総合し、被告人がCに致命傷を負わせた犯人であると認定した。一方、F事件については、F・R・Sの供述の信用性に疑義があるとした。Fの供述は、被告人に不利な虚偽供述の動機があること、供述の変遷に合理的理由がないこと、被告人が同組織の仲間であるFを意図的に複数回刺したとする内容が不自然であること等から信用できず、R・Sの供述も核心部分で曖昧かつ相互に整合しないとして、被害者CがFを刺した合理的疑いも排除できないとし、F事件について無罪を言い渡した。E事件については、被告人が計画段階から実行・証拠隠滅まで全過程に関与し、首謀者Fに次ぐ立場で実行役を集めて監督する重要な役割を果たしたとして、共同正犯の成立を認めた。量刑については、C事件の強固な殺意に基づく執拗かつ残忍な犯行態様、E事件・M事件における暴力団特有の反社会的犯行の繰り返し、生命軽視の態度等を重視し、有期懲役刑の上限に近い懲役28年を言い渡した(求刑無期懲役)。