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下級裁

国家賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和6(ネ)63
事件名
国家賠償請求控訴事件
裁判所
名古屋高等裁判所 民事第3部
裁判年月日
2025年1月24日
裁判官
三橋泰友
原審裁判所
名古屋地方裁判所
原審事件番号
令和4(ワ)2705

AI概要

【事案の概要】 生活保護受給者である控訴人は、平成28年11月8日に精神障害者保健福祉手帳2級の交付を受けていたが、名古屋市の福祉事務所(本件事務所)の担当職員らが障害者加算の認定手続を行わなかったため、平成28年12月分から平成31年4月分までの29か月分の障害者加算合計50万8370円が支給されなかった。控訴人は、担当職員らが精神障害者手帳用診断書料の一時扶助認定等を通じて控訴人の障害の状況を認識し得たにもかかわらず、障害者加算の要件該当性を調査する義務を怠ったとして、名古屋市に対し国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた。原審は請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)本件事務所の担当職員らに障害者加算の要件該当性について調査する義務があったか、(2)控訴人が精神障害者手帳の交付を受けた事実を届け出なかったことに過失があるか、(3)損害の有無及び額である。被控訴人(名古屋市)は、生活保護法61条の届出義務を控訴人が履行しなかった以上、保護の実施機関に調査義務は生じないと主張した。 【判旨】 控訴審は原判決を取り消し、控訴人の請求を全部認容した。まず、障害者加算は加算があって初めて最低限度の生活を営むことができるものであり、加算がされなかった場合の被侵害利益は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利であって軽微とは言い難いこと、法61条の届出義務は調査義務の端緒となる性質のものにすぎないことなどを踏まえ、被保護者からの届出がなくても、保護の実施機関が精神障害者手帳の交付を受けた事実を認識し又は認識し得た場合には、調査義務を負うと判示した。本件では、担当ケースワーカーが精神障害者手帳用診断書料の一時扶助認定に際して診断書の内容を確認しており、日常生活能力の程度が2級に相当する記載があったにもかかわらず、控訴人の症状が改善しているとの主観的印象に基づき手帳交付の有無を確認しなかった点について、極めて容易な調査すら怠ったと認定した。また、控訴人が届出をしなかった点については、生活保護制度の複雑さ、パンフレット等に障害者加算や届出義務の記載がなかったこと、当時の日常生活能力の程度等に照らし、届出義務の認識は困難であり過失は認められないとした。以上から、本件事務所の職員らの調査義務違反は国賠法上違法であり、29か月分の障害者加算相当額50万8370円の損害賠償を認めた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。