AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社インターメスティック)が、被告(株式会社ジンズホールディングス)の有する意匠登録第1663217号(意匠に係る物品「眼鏡用前枠」、磁石で眼鏡に装着する跳ね上げ式サングラス等の庇部に関する部分意匠)について、意匠登録無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた事案である。原告は、①本件登録意匠は図面間に不一致があり工業上利用できる意匠に該当しない(意匠法3条1項柱書)、②中国公告の先行意匠(甲2意匠)と類似し新規性を欠く(同項3号)、③先行公知意匠に基づき容易に創作できた(同条2項)と主張した。 【争点】 1. 工業上利用することができる意匠該当性(意匠法3条1項柱書)―図面間の不一致により意匠の形状が特定できないか 2. 新規性の有無(同項3号)―本件登録意匠と甲2意匠が類似するか 3. 創作非容易性の有無(同条2項)―先行公知意匠の組合せにより容易に創作できたか 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。争点1について、正面図・背面図と斜視図との間に一見不一致があるように見えるが、庇部全体が略水平の配設角度であること及び本体部のブリッジ部とともに庇部中央が正面側に突出していることを踏まえれば、斜視図の記載は背面図等の態様と矛盾せず、合理的に善解して形状を一つに特定し得ると判断した。争点2について、両意匠は物品・用途・機能・位置等が共通するものの、①背面視におけるブリッジ後方部及びリム後方部の厚みの変化、②背面視におけるリム部の形状、③平面視におけるブリッジ部及びリム部の庇部の幅の変化(本件登録意匠は眼鏡を完全に覆う「幅広」であるのに対し、甲2意匠は覆わない「細幅」から徐々に広がる)において大きく相違し、需要者に別異の美感を生じさせるとして、類似しないと判断した。争点3について、甲5〜甲11意匠にも本件登録意匠のような指数曲線的に立ち上がる庇部の態様は認められず、先行意匠の組合せによっても本件登録意匠を容易に創作することはできないと判断した。