損害賠償等請求本訴事件、商標権移転登録請求反訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 米国在住のスケートボーダー兼アーティストである被告(マーク・ゴンザレス)は、原告会社らとの間でアートワーク等に係るライセンス契約を締結し、原告らは被告のデザインや氏名を使用した商品化ビジネスをアジアで展開していた。その後、被告がライセンス契約の終了を主張し、知的財産の返還を求めたのに対し、原告らは知的財産が自己に帰属すると主張してビジネスを継続した。被告が日本国内のサブライセンシー等に警告書を送付したため、原告らは不法行為に基づく損害賠償等を求めて本訴を提起し(請求額1億円)、被告は商標権の移転登録手続を求めて反訴を提起した。 【争点】 (1) 本件各著作物(アルバムカバーアート等)の著作権が原告に帰属するか、(2) 被告の氏名やデザインに係る商標権について原告に返還義務があるか、(3) 被告による警告書送付等が不法行為に該当するか、が主な争点となった。 【判旨】 裁判所は、原告らの本訴請求を全て棄却し、被告の反訴請求を認容した。著作権の帰属について、本件音楽契約における「著作権の移転」(shall be transferred)と「独占的権利付与」(shall have the exclusive rights)の文言の書き分けに着目し、アルバムカバーアート等については宣伝目的のための独占的使用権が付与されたにとどまり、著作権自体は譲渡されていないと判断した。また、被告がCujo社の職務著作者や従業員であるとの主張も退けた。商標権については、ライセンス契約11条が被告の要求に応じて商標登録を返還する義務を定めていることから、原告らには全商標権の返還義務があると認定した。原告らが2014年の和解案で返還を認めていた経緯や、被告の氏名という人物識別情報を含む商標を半永久的に保有できるとする主張が不自然であることも指摘した。被告の警告書送付については、名誉毀損に該当するものの、公共性・公益性が認められ、かつ告知内容の重要部分が真実であるとして違法性が阻却されると判断した。