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【事案の概要】 令和6年10月27日施行の第50回衆議院議員総選挙(小選挙区選出議員選挙)について、東京都第5区、第8区、第28区及び第30区の選挙人である原告らが、衆議院小選挙区選出議員の定数配分及び選挙区割りに関する公職選挙法の規定は、投票価値の平等の保障に反し憲法に違反する無効なものであるとして、上記各選挙区における選挙の無効を求めた事案である。本件選挙は、令和4年改正法に基づき、アダムズ方式による10増10減の定数配分変更と25都道府県140選挙区の区割り変更を経て施行されたものであり、令和2年国勢調査に基づく人口最大較差は1対1.999であったが、選挙当日の選挙人数に基づく最大較差は1対2.059に拡大していた。 【争点】 本件小選挙区選挙は、憲法に違反した公選法の規定に基づくものとして無効となるか。具体的には、(1)基準人数論に基づく人口比例配分違反、(2)アダムズ方式の違憲性(一人別枠方式の温存)、(3)選挙区割りの人口比例配分原則違反及び区画審設置法3条1項の違憲性、(4)都道府県内基準人数に基づく人口比例配分原則違反が争われた。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する絶対の基準ではなく、国会が正当に考慮できる他の政策的目的との関連で調和的に実現されるべきものであるとの判断枠組みを示した上で、新区割制度(アダムズ方式による定数配分と2倍未満の較差基準)には合理性が認められると判断した。選挙当日の最大較差が2.059倍に拡大した点については、新区割制度は人口異動による較差拡大を前提としつつ10年ごとの是正を予定しており、較差拡大は自然的な人口異動によるもので著しいものともいえないとして、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態には至っていないとした。アダムズ方式についても、選挙制度調査会が9方式を比較検討した結果採用されたものであり、一人別枠方式とは考え方が根本的に異なるとして、国会の裁量権の行使として合理性を有すると結論づけた。