AI概要
【事案の概要】 令和6年10月27日に施行された第50回衆議院議員総選挙(比例代表選出議員選挙)について、東京都選挙区の選挙人である原告らが、比例代表選挙の定数配分及び選挙区割りに関する公職選挙法の規定は投票価値の平等に反し憲法に違反するなどと主張して、同選挙区における選挙の無効を求めた選挙無効訴訟である。原告らは、(1)小選挙区選挙と比例代表選挙は不可分一体であり小選挙区選挙の違憲により比例代表選挙も無効となる、(2)重複立候補制は選挙人の投票意思をゆがめ憲法に違反する、(3)アダムズ方式による定数配分は人口比例に反する、(4)ブロック別の合算議員数に不平等がある、との4つの無効理由を主張した。 【争点】 衆議院比例代表選挙の定数配分・選挙区割り及び重複立候補制に関する公職選挙法の規定が憲法に違反し、本件比例代表選挙が無効となるか。 【判旨】 東京高裁は、原告らの請求をいずれも棄却した。無効理由1については、小選挙区選挙と比例代表選挙は選挙制度としての機能及び方法が異なる別個の選挙であり、比例代表選挙の無効を求める訴訟で小選挙区選挙の憲法適合性を問題とすることはできないとした(平成11年大法廷判決参照)。無効理由2については、重複立候補を認めるか否かは国会の裁量事項であり、復活当選は重複立候補制の当然の帰結であって憲法に違反しないとした。名簿順位が選挙結果により確定する点も、最終的に投票結果で当選人が決まる以上、直接選挙に反しないと判断した。無効理由3については、選挙区間の最大較差が1対1.187にとどまり、国会の裁量権の限界を超えるものではないとした。無効理由4については、選挙区割りを異にする二つの選挙の定数を合算して平等を論じることに合理性はないとして退けた。