AI概要
【事案の概要】 映画・テレビ番組の企画制作会社である原告が、被告東宝及び被告乙との三者間で締結したアニメーション作品「ファンタジスタドール」の原著作契約に基づき、被告東宝が同作品の原作著作権を有しないことの確認を求めた事案である。原著作契約では、原作の著作権を三者の共有とし(被告東宝50%、原告及び被告乙各25%)、被告東宝を原作幹事社として管理運用に当たることとされていた。契約上、作品の事業利用に関する一切の事項はメンバー間で協議の上、被告東宝が決定するものとされていたが、原告は、被告東宝が原告との協議を経ずに多数の事業利用(番組販売、配信許諾、商品化、出版化、舞台化、音楽化等)を行ったことが契約所定の権利喪失事由に該当すると主張した。 【争点】 ①被告東宝の行為が契約所定の権利喪失事由(契約違反の不是正又は義務の重大な不履行)に当たるか、②契約関係の解消にやむを得ない事由が必要か、③原告の主張が信義則に反するか。被告東宝は、幹事社自らが主体となる事業利用や少額・緊急の利用には協議不要であると主張し、また協議の方法はメール報告で足りると反論した。 【判旨】 請求認容。裁判所は、契約所定の協議の趣旨について、被告東宝が事業利用を決定するに当たり、他のメンバーから判断に資する意見を聴取し参考とすることにあると解した上で、報告・意見聴取の方法でも協議に当たり得るが、事業利用の具体的態様や使用予定の図案等を併せて示す必要があるとした。その上で、契約上、協議が不要となる場合の定めはなく、被告東宝自らが主体となる場合や少額・緊急の場合でも協議は必要であるとして、番組販売、配信許諾、商品化等の大部分の事業利用について契約違反を認定した。さらに、原告からの文書による催告後も違反が是正されなかったことから、契約第8条1項5号の権利喪失事由に該当するとした。契約解消にやむを得ない事由を要するとの主張は、契約に明文の定めがないとして排斥し、信義則違反の主張も退け、被告東宝が原作著作権を喪失したと判断した。